LGA1155は2011年に新登場のCPUに対応したシステムです。CPUソケットがLGA1155と呼ばれるタイプで、制御するチップセットと組となってマザーボードに搭載されています。
Core iシリーズの第二世代となるSandy Bridgeでは初代のNehalem世代(LGA1156)よりも大幅に消費電力が少なくなっています。アイドル時のCPUコアは動作がほぼ0になるため、無駄な消費電力が大幅に削られています。
第二世代のCore i5-2400は第一世代のCore i7-875Kよりも高性能で低消費電力。内蔵GPUが強力になり、高速動画エンコードも可能になり、動画目的では消費電力が大きなグラフィックボードの搭載が不要になりました。
第三世代のIVY BridgeではSandy Bridgeの32nmから22nmへのシュリンク版(小さくした)であり性能の向上は一部の機能(Intel HD Graphics 4000)やTBの動作よるもので大きくはないですが、負荷時の消費電力が更に少なくなっています。TDPが下がり発熱が小さくなってはいますが、トランジスタの配置を立体構造にした「トライゲート」により熱が逃げにくい構造になってしまいCPUダイの温度が下がりにくくなっています。熱がCPUクーラーに伝わりにくく冷却効率が悪いため、発熱量が低くなってもCPU温度に注意が必要です。熱が逃げにくい理由には、CPU表面のヒートスプレッドとの接着が熱伝導率の低いグリスに変わったという報告(公式の発表ではない)があります。
LGA1155の第二世代Core iのSandy Bridgeと第三世代Core iのIVY Bridgeに対応するチップセットはIntel 6シリーズと7シリーズです。
マザーボードの生産時期よりも新しいCPUを搭載するにはBIOS(UEFI/EFI BIOSも含む)が新しいCPUに対応している必要があります。
BIOSの更新には正常に動作する(対応している)CPUを使って実行する必要があります。古いマザーボードでは新しいBIOSバージョンの公開が数週間遅れることや更新が終了していて対応しない場合があります。
こちらで挙げているのはIntel 純正のみの機能です。マザーボードでは他社製チップを追加搭載することでSATA6Gの3ポート以上やグラフィックボードの4枚接続対応などを実現しているモデルがあります。
USB3.0が標準チップセットのみで搭載可能になりました。(搭載するCPUには関係しない)
上位モデルのレガシーPCIバスのサポートが無くなり、PCI-Expressのみとなりました。(外部チップによりPCIバスを搭載することは可能です)
IVY Bridge と組み合わせることで、
DDR3-1600MHzに正式に対応となりました。PCI-Express 3.0に正式に対応となりました。最大3画面出力が可能になりました(2台目と3台目はDisplayPortでの接続が必要)。
企業向けの機能を除き、すべての機能が使えます。
Z77から一部の機能が省かれています。
一般的な構成に最適な対応です。
H77から一部の機能が省かれています。
企業でのPC利用で必要となる機能を備えています。
P67とH67の機能を併せ持ち、更に機能が追加されたモデル。
この後は高機能なZ68と機能限定のH61が主流となり、P67とH67が少なくなります。
H67よりも内蔵グラフィックの扱いが強化されています。
「Virtu GPU Virtualization Software」機能により、グラフィックボードとCPU内蔵GPUを動的に切り換えて動作することが可能になりました。これにより、描画負荷の少ないブラウザ表示などは省電力な内蔵GPUを使い、ゲームなどは性能重視のグラフィックボードに動作を切り換えることが可能です。ソフトウェア「Virtu Control Panel」を使うことで、アプリケーションごとに使用するGPUを個別に指定することが可能です。
また、高速動画エンコードも内蔵GPUの「Quick Sync Video」とグラフィックボードの「CUDA」等を使い分けることができます。(同時利用は不可)
「Intel Smart Response Technology」はHDDにSSDを繋げて高速化します。,SSDは最大64GBでHDDのキャッシュとして動作します。SSDの容量が64GB以上でも、64GBまでしかこの機能に割り当てることができません。よく使われるHDD上のデータを高速なSSDにキャッシュすることで、USBメモリを使ったTurbo Memoryの上位版のような動作になります。
2つの動作モード「Enhanced」と「Maximized」があり、Enhancedは読み込みはSSDから、書き込みはSSDとHDDの両方に行い、すべてのデータがHDDに存在して安全性を高めています。MaximizedはSSDとHDDが一体となり、SSDへの書き込みはHDDにコピーされません。
LGA1155のSandy Bridge CPUを使うためのシンプルな設計です。機能や拡張性を重視しないコンパクトPCや低価格PCに選ばれます。
H67とH61の違いは、搭載可能なポートやソケット等を減らしています。低価格なマザーボードを支援するために、安価に出荷できるチップセットになっています。
省電力面では、集積回路(チップセット単体)上の使われない機能の消費電力は0に近いためほとんど影響しません。Intel 6シリーズでは1.05V駆動の場合でTDP6.1Wのアイドル2.77Wです。
CPU内蔵のGPU機能が使用できません。グラフィックボードの接続が別途必要です。
CPU内部倍率のロックフリー(末尾KシリーズのCPU)に対応しています。
グラフィック接続用のPCI-Expressはx16でグラフィックボードを2基搭載する場合にはx8+x8となります。(Intel純正以外のチップをブリッジする場合はこの限りではない)
SATAは6ポートで内2ポートはSATA3.0(6Gbps)対応です。
USBは14ポートですべてUSB2.0に対応しています。
CPU内蔵のGPU機能を使用して、2基のディスプレイモニター接続に対応しています。
必要があればグラフィックボードを別途接続して使用することもできます。マザーボードBIOSで内蔵GPU(Graphics)をプライマリ(Primary)に設定することで、PCI-Expressのグラフィックカードを接続していてもQuick Sync Video機能によるエンコードが可能です。
CPU内部倍率のロックフリーには対応していません。末尾KシリーズのCPUでも倍率変更ができません。
SATAは最大6ポートで内2ポートはSATA3.0(6Gbps)対応です。
USBは最大14ポートですべてUSB2.0に対応しています。
グラフィック用のPCI-Express 2.0 x16はx16単機のみの対応です。
企業向けのチップセットです。Q67の機能はH67とほぼ同じ、B65では一部の機能が制限されています。
重要:初期生産のIntel 6シリーズ チップセットがリコール
中古で購入する場合はご注意ください。
Intel 6シリーズ チップセットに時間経過によりSATAの性能が低下するという不具合が発表されました。
問題の修正にはチップセット(マザーボード)の交換が必要であるため、PCメーカーや販売店及び、マザーボードのメーカー代理店での対応をご確認ください。
不具合はIntel 6シリーズチップセットに繋がるSATA 3Gbps(SATA2) ポートすべてが対象です。
問題が修正されたチップセットは2011年2月後半より出荷が開始されています。
6Gbps(SATA3)対応ポート及び、Marvell等の増設ポートには影響しませんので、不具合品の交換等の対応がなされるまでそれらのポートをご使用ください。ポート数が足りない場合はPCIやPCI-Express接続のSerialATA増設カードをご検討ください。
注意:Core i7-3900/3800はシステムがLGA2011ですのでLGA1155とは互換性がありません。
IVY Bridge(Core i-3000)は 2012/4/29 発売開始
Sandy Bridge(Core i-2000)は 2011/1/9 発売開始
CPUソケット | DMI | メモリー | L1 | L2 | L3 (LLC) |
|
---|---|---|---|---|---|---|
Core i7-3000 | LGA1155 | 5 GT/s | DDR3-1600MHz 2ch 25.6GB/s | 32KB 各コア | 256KB 各コア | 8MB |
Core i5-3000 | 6MB/3MB | |||||
Core i3-3000 | 3MB | |||||
Core i7-2000 | DDR3-1333MHz 2ch 21.3GB/s | 8MB | ||||
Core i5-2000 | 6MB | |||||
Core i3-2000 | 3MB |
Core i5-3470Tは2コアのためL3キャッシュが3MBです。
コア 数 |
スレッド 数 |
HD Graphic |
GPU 基本 クロック |
GPU 最大 クロック |
CPU 基本 クロック |
4コア 最大 クロック |
3コア | 2コア | 1コア | TDP | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i7-3770K | 4 | 8 | 4000 | 650 MHz | 1150 MHz | 3.5 GHz | 3.7 | 3.8 | 3.9 | 3.9 | 77W |
Core i7-3770 | 3.4 GHz | ||||||||||
Core i7-3770S | 3.1 GHz | 3.5 | 3.6 | 3.8 | 3.9 | 65W | |||||
Core i7-3770T | 2.5 GHz | 3.1 | 3.4 | 3.6 | 3.7 | 45W | |||||
Core i5-3570K | 4 | 4 | 3.4 GHz | 3.6 | 3.7 | 3.8 | 3.8 | 77W | |||
Core i5-3570 | 2500 | 3.4 GHz | 3.6 | 3.7 | 3.8 | 3.8 | 77W | ||||
Core i5-3570S | 3.1 GHz | 3.4 | 3.5 | 3.7 | 3.8 | 65W | |||||
Core i5-3570T | 2.3 GHz | 2.9 | 3.0 | 3.2 | 3.3 | 45W | |||||
Core i5-3550 | 3.3 GHz | 3.5 | 3.6 | 3.7 | 3.7 | 77W | |||||
Core i5-3550S | 3.0 GHz | 3.3 | 3.4 | 3.6 | 3.7 | 65W | |||||
Core i5-3470 | 1100 MHz | 3.2 GHz | 3.4 | 3.5 | 3.6 | 3.6 | 77W | ||||
Core i5-3470S | 2.9 GHz | 3.2 | 3.3 | 3.5 | 3.6 | 65W | |||||
Core i5-3470T | 2 | 2.9 GHz | 3.3 | 3.6 | 35W | ||||||
Core i5-3450 | 4 | 3.1 GHz | 3.3 | 3.4 | 3.5 | 3.5 | 77W | ||||
Core i5-3450S | 2.8 GHz | 3.1 | 3.2 | 3.4 | 3.5 | 65W | |||||
Core i5-3350P | なし | 3.1 GHz | 3.1 | 3.2 | 3.3 | 3.3 | 69W | ||||
Core i5-3330 | 2500 | 650 MHz | 1050 MHz | 3.0 GHz | 3.0 | 3.1 | 3.2 | 3.2 | 77W | ||
Core i5-3330S | 2.7 GHz | 2.8 | 2.9 | 3.1 | 3.2 | 65W | |||||
Core i3-3240 | 2 | 4 | 2500 | 650 | 1050 MHz | 3.4 Ghz | 3.4 | 3.4 | 55W | ||
Core i3-3240T | 2.9 GHz | 2.9 | 2.9 | 35W | |||||||
Core i3-3225 | 4000 | 3.3 GHz | 3.3 | 3.3 | 55W | ||||||
Core i3-3220 | 2500 | 3.3 GHz | 3.3 | 3.3 | 55W | ||||||
Core i3-3220T | 2.8 GHz | 2.8 | 2.8 | 35W |
Core i7-3770はCPU基本クロックが3.4GHzですが、TDPに問題が生じなければ3.7GHzで動作するため、3770Kと差別するために付けた数値に見えます。オーバークロックするのでなければ違いはありません。
Core i5-3350PはGPU機能が非搭載ですので、別途グラフィックボードが必ず必要です。
Core i5-3470Tは2コアですが最大クロックが高くて省電力なためCore i3よりも上位の位置づけになっています。
コア 数 |
スレッド 数 |
HD Graphic |
GPU 基本 クロック |
GPU 最大 クロック |
CPU 基本 クロック |
4コア 最大 クロック |
3コア | 2コア | 1コア | TDP | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i7-2700K | 4 | 8 | 3000 | 850MHz | 1350 | 3.5GHz | 3.6 | 3.7 | 3.8 | 3.9 | 95W |
Core i7-2600K | 3.4GHz | 3.5 | 3.6 | 3.7 | 3.8 | ||||||
Core i7-2600 | 2000 | ||||||||||
Core i7-2600S | 2.8GHz | 2.9 | 3.3 | 3.7 | 3.8 | 65W | |||||
Core i5-2550K | 4 | 4 | なし | 3.4GHz | 3.5 | 3.6 | 3.7 | 3.8 | 95W | ||
Core i5-2500K | 3000 | 850MHz | 1100 | 3.3GHz | 3.4 | 3.5 | 3.6 | 3.7 | |||
Core i5-2500 | 2000 | ||||||||||
Core i5-2500S | 2.7GHz | 2.8 | 3.2 | 3.6 | 3.7 | 65W | |||||
Core i5-2500T | 650MHz | 1250 | 2.3GHz | 2.4 | 2.8 | 3.2 | 3.3 | 45W | |||
Core i5-2405S | 3000 | 850MHz | 1100 | 2.5GHz | 2.6 | 2.8 | 3.2 | 3.3 | 65W | ||
Core i5-2400 | 2000 | 3.1GHz | 3.2 | 3.3 | 3.3 | 3.4 | 95W | ||||
Core i5-2380P | なし | 3.1GHz | 3.2 | 3.3 | 3.3 | 3.4 | |||||
Core i5-2400S | 2000 | 850MHz | 1100 | 2.5GHz | 2.6 | 2.8 | 3.2 | 3.3 | 65W | ||
Core i5-2320 | 4 | 4 | 3.0GHz | 3.1 | 3.2 | 3.2 | 3.3 | 95W | |||
Core i5-2310 | 2.9GHz | 3.0 | 3.1 | 3.1 | 3.2 | ||||||
Core i5-2300 | 2.8GHz | 2.9 | 3.0 | 3.0 | 3.1 | ||||||
Core i5-2390T | 2 | 4 | 650MHz | 2.7GHz | ? | 3.5 | 35W | ||||
Core i3-2130 | 2 | 4 | 2000 | 850MHz | 1100 | 3.4GHz | 3.4 | 3.4 | 65W | ||
Core i3-2125 | 3000 | 3.3GHz | 3.3 | 3.3 | |||||||
Core i3-2120 | 2000 | 3.3GHz | 3.3 | 3.3 | |||||||
Core i3-2105 | 3000 | 3.1GHz | 3.1 | 3.1 | |||||||
Core i3-2100 | 2000 | 3.1GHz | 3.1 | 3.1 | |||||||
Core i3-2120T | 650MHz | 2.6GHz | 2.6 | 2.6 | 35W | ||||||
Core i3-2100T | 2.5GHz | 2.5 | 2.5 |
GPU非搭載(Intel HD Graphic なし)モデルが発売されました。Core i5-2550Kはi5-2500Kの上位モデルというわけではないのでご注意ください。CPU内蔵GPUによる映像出力や動画支援が行えません。使わないGPUが搭載されていることが嫌!という人向きです。2500KのTB倍率を2550Kと同じにして動作させることは簡単に可能です。
語尾のKはCPU内部の倍率ロックフリー版。CPUの品質に応じて倍率設定を変更することで、CPU単独でのオーバークロックが可能です。CPU基本動作倍率とTB倍率を個体差に合わせて自由に設定することができます。CPUの倍率変更に対応したマザーボードが必要です。オーバークロックによる動作可能な性能はCPUの個体差や組み合わせるマザーボードなど環境により異なります。また、オーバークロック設定は保証期間内に故障しても保証対象外となります。
語尾のSはデスクトップの低消費電力版。Core2と異なり通常のクロックが低くなっています。ターボブーストによる最大クロックは通常モデルと同じです。 定格クロックを下げて頭を低くすることでピーク電力を抑えています。
語尾のTはデスクトップの低電圧版。低い電圧に最適化されたクロック設定のため定格性能が低くなりますが、メディアサーバーなどの常時起動しておきたいPCに最適です。
第三世代 Core-i IVY Bridge CPUは2012/4/29からの発売です。
第三世代 Core-i IVY Bridge 搭載PCも2012/4/29からの発売になります。