CPU Core i7/i5/i3について
CPUソケット
デスクトップではIntelのPentium4以降、最近の Core2 Duo/QuadまでCPUソケットにLGA 775が長い間使われてきましたが、Core iシリーズではCPUの形状が変化しました。
メモリコントローラがCPUに内蔵されたことでメモリ性能がCore2シリーズよりも大幅に高速になっています。
CPUやマザーボードを個別に購入する場合、ソケット形状が同じであればCPUを接続できますが、マザーボードのBIOSが対応しているか確認が必要です。新しいCPUは古いBIOSに情報がないため正常に動作しない場合があります。
CPUの設計はCore(コア)アーキテクチャを改良したNehalem(ネハーレン)アーキテクチャとなっています。
Nehalemでは、GPUありとなしに分類され、CPUコアとGPUコアは全くの別物をつなぎ合わせて作られていますが、Sandy Bridge(サンディーブリッジ)ではGPUをCPUダイに一体化して最適な状態に仕上がっています。
Sandy Bridge(サンディブリッジ)
4コア搭載モデルにもGPUが内蔵されました。TurboBoostのクロック変化がこれまでよりも柔軟になり、CPUの電力効率が更に向上しています。搭載されるGPUは倍率クロックがロックされていないKシリーズでHD Graphics 3000を搭載し、それ以外ではHD Graphics 2000が搭載されています。これはClarkdaleに搭載のGPUよりも大幅に性能が向上しています。
Nehalem (ネハーレン)
- Gulftown(ガルフタウン)
- 6コア搭載で12スレッド対応。基本設計はBoomfieldを同じ。対応システムはLGA1366。
- Bloomfield (ブルームフィールド)
- 信頼重視の設計。高速なQPIでチップセットに接続。3枚同時アクセスのDDR3メモリ。ハイエンドモデル。
Core i7-900はTurboBoost機能(コア数に応じて最大クロックが上昇)とHT機能(1コアで2つの処理を同時に実行)搭載。
対応システムはLGA1366。 - Lynnfield (リンフィールド)
- バランス重視の設計。チップセットとの接続は遅いが速度が必要なPCI-Express x16のコントローラをCPUに内蔵したことで影響は少ない。メモリは2枚同時アクセス。TurboBoost機能はi7-900よりも効果が大きい。
対応システムはLGA1156。
Core i7-800はTurboBoost機能とHT機能搭載。
Core i5-700はTurboBoost機能を搭載し、HT機能はない。 - Clarkdale (クラークデール)
- 低消費電力を実現する設計。CPUを2コアとし、GPUを内蔵したことでビデオカードの搭載が不要。しかし、対応したマザーボードを使わないとモニターに映像が出力できないので注意。(P55にはモニター接続ポートがない)
メモリコントローラー等がCPUコアとは切り離されているので遅い。(従来のチップセットの片方をCPUに乗せただけに近い設計)
対応システムはLGA1156。
Core i5-600はTurboBoost機能を搭載し、HT機能も搭載。
Core i3-500はTurboBoost機能がなく、HT機能は搭載。
LGA1366
Intel X58チップセットで採用されているCPUソケットです。Core i7-900シリーズに対応しています。X08シリーズは高信頼が重視されています。
LGA1156のP55チップセットよりもPCI-Eレーン数が多く(PCI-E 2.0が32本、PCI-E 1.1が4本)、複数のビデオカードを搭載する場合や多くの機器を接続する場合はこちらが有利です。構成は各マザーボードの製品により異なります。PCを使いこなす方はこちらをお選びください。
Gulftown i7-900X
Gulftown(ガルフタウン)では32nmプロセスルールとなり、Core i7-980Xではコア性能は975と同じでコア数が2つ増えて6コア/12スレッドになりました。
プロセスルールが次世代となったことで、TDPは4コア/8スレッドのCore i7-900として共通の130Wに収まっていますです。
動画編集や変換を高速に扱いたい人向き。
Bloomfield i7-900
Bloomfield(ブルームフィールド)のCore i7-900シリーズではDDR3-1066MHzのメモリを3枚1組でCPUから高速にアクセスするのが特徴です。
TDPが130Wと高いため、PCケース内の空調に注意が必要です。
LGA1156
Intel P55/H55/H57/Q57のチップセットで採用されているCPUソケットです。コストと性能のバランスが重視されています。
P55はディスプレイモニター接続をサポートしていないため、GPU搭載のCPUを接続してもGPU機能が使用できません。P55では必ずビデオカードを使用する必要があります。
ターボブーストの効果が高く、LGA1366品よりもコストパフォーマンスに優れています。PCI-E 2.0のレーン数が16本(PCI-E 1.1は6本)であり、ビデオカードのSLIやCrossFireではx8+x8での接続に制限されます。チップセットとは別にブリッジチップを独自に搭載してレーン数を増やしているマザーボードもあります。
Lynnfield i7-800/i5-700
Linnfield(リンフィールド)ではPCIe-Gen2もCPUに内蔵されており、2枚1組のDDR3メモリとビデオカードのPCI-ExpressがCPUと接続されています。
メモリはDDR3が2枚1組となりますが1ランク高速なDDR3-1333MHzで動作するため、Nehalemとのメモリ性能差はそれほど大きくはありません。
TDPが95WですがメモリコントローラとPCIeコントローラがチップセットからCPUに移動されているため、単純にCore2シリーズよりも高いとは言えません。
CPUの性能は、Core i5-750がCore2 Quad Q9650に近い性能となっています。
Clarkdale i5-600/i3-500
Clarkdale(クラークデール)ではCPUに映像処理のGPUが内蔵されました。そのため、ビデオカード不要でディスプレイモニターを接続して映像を表示させることが可能です。
デュアルコアのCore2 Duo+グラフィック統合G45チップセットに置き換わるモデルとなります。
これまでのチップセットに内蔵されたGPUも含めてノースブリッジがCPUとセットになった形です。32nmで作られたデュアルコアにCPUの空きスペースにGPUを持ってきた形であり、CPUの設計に完全に統合された形ではありません。それでも、CPUの中に含まれたことで動作効率が高くなっています。CPUコアは32nmですが、GPUコア(メモリコントローラを含む)は45nmのプロセスで作られており、コアの高さも違うようです。
グラフィックコアはDirect X10対応(WDDM1.1サポート)、OpenGL 2.1対応、HD動画再生支援機能あり。
新機能として、AESの暗号化と復号化が高速にできるAES-NI命令が追加されています。
サウスブリッジH55/H57/Q57はまだUSB3.0をサポートしていません。USB3.0対応は各メーカー独自のサポート(追加機能)となります。
Core i5-660とi5-661の違いはGPUの性能が異なります。また、i5-661はリモートで電源管理のできるvPro機能が使用できません。
LGA1155
Intel P67/H67/Q67/B65 のチップセットで採用されているCPUソケットです。USB3.0の標準搭載は見送られましたが、SATA 3.0は2ポート搭載されています(B65では1基のみ)。
P67はディスプレイモニター接続をサポートしていないため、CPU内蔵のGPUによる映像出力が行えません。P67では必ずグラフィックボードを使用する必要があります。グラフィックボードを2基接続する場合は、PCI-E 2.0 x8+x8の構成となります。
H67ではグラフィックボードは1基のみの接続となるようです。
Sandy BridgeのCPUに搭載されるGPUはIntel HD Graphics 3000またはIntel HD Graphics 2000となり、DirectX 10.1対応、OpenGL 3.0対応、動画再選支援のH.264/MPEG-2/VC1のデコード対応、H.264とMPEG-2のハードウェアエンコード対応、高画質機能、HDMI 1.4出力対応、Blu-ray 3Dの映像出力対応。Clarkdaleに搭載されているGPUよりも性能と機能が大幅に良くなっています。
ハードウェアエンコードではIntel Media SDKに対応するアプリケーションを用いることで、nVIDIA CUDAやAMD ATIStreamのようなGPGPU機能が使えるようになっています。
CPUの性能はCore i7-2500KがCore i7-875Kよりも高い性能で、消費電力は少なくなっています。
ノートPC
i7-M/i5-M/i3-M
ノートPCではLinnfieldのモバイル版Clarksfieldが使われます。チップセットはP55のモバイル版であるIntel PM55となります。グラフィックはPCI-Express2.0を搭載します。ノートPCではデスクトップ用のビデオカードは使用不可で、ユーザーによる交換もできません。これはノートPCではビデオカードを含めて1体となったシステムとして設計されており、同じ形状で差し替え可能であってもシステムのTDPが変わってしまい問題が生じるためです。
GPU内蔵はノートPCではArrandaleが使われます。デスクトップのClarkdaleと異なりGPUのクロック上昇機能『HD Graphics with Dynamic Frequency』が有効です。通常はGPUの標準クロックが低くなっていますが、TDPに余裕があり高い性能を要求する場合にCPUのターボブースト機能と同じように作用します。
CPU Core i7/i5/i3の仕様
基本仕様
CPUソケット | QPI/DMI | メモリー | L2 キャッシュ |
L3 キャッシュ |
|
---|---|---|---|---|---|
Core i7-900X Extreme Edition |
LGA1366 | QPI 6.4GT/s | DDR3-1066 3ch | 256KBx6 | 12MB |
Core i7-900 Extreme Edition |
256KBx4 | 8MB | |||
Core i7-900 | QPI 4.8GT/s | ||||
Core i7-2000 | LGA1155 | DMI 5.0GT/s | DDR3-1333 2ch | 8MB | |
Core i5-2000 | 6MB | ||||
Core i3-2000 | 3MB | ||||
Core i7-800 | LGA1156 | DMI 2.5GT/s | 256KBx4 | 8MB | |
Core i5-700 | |||||
Core i5-600 | 256KBx2 | 4MB | |||
Core i3-500 | |||||
Core i7-920XM | ノートPC | DDR3-1066 2ch | 256KBx4 | 8MB | |
Core i7-820QM | |||||
Core i7-720QM | 6MB | ||||
Core i7-6xxM | DDR3-1066 2ch | 256KBx2 | 4MB | ||
Core i7-6xxLM | |||||
Core i7-6xxUM | DDR3-800 2ch | ||||
Core i5-xxxM | DDR3-1066 2ch | 3MB | |||
Core i5-xxxUM | DDR3-800 2ch | ||||
Core i3-xxxM | DDR3-1066 2ch |
Core i7 Extreme Edition(EE)は最上位のCPUです。CPU動作倍率がロックされておらず、CPU動作のみのオーバークロックを簡単に行うことができます。Extreme Editionそれ以外は倍率変更はできず、オーバークロックはCPU意外にも影響があるベースクロックの操作とTurboBoostの切り替えで行います。
ノートPC用のCore i7が発表されました。LGA1156のLynnfieldをモバイル向けに設計したClarksfieldで、デスクトップ向けよりも大幅に低いTDPを実現しています。
QPIはビデオカードを含めた拡張バスやHDDやDVDなどと通信する速度です。DMIはビデオカードがCPU直結でそれ以外の拡張バスやHDDやDVDなどと通信する速度です。
Core2 DuoやCore2 Quadに比べて、メモリがDDR2からDDR3に変わるだけでなく、CPUにメモリコントローラが内蔵されたことで大幅にメモリ性能が向上しました。
Core i7-900ではDDR3-1066MHzのメモリを3枚1組のトリプルチャネルで動作します。
Core i7-800とi5-700及びノートPCのCore i-MではDDR3-1333MHzのメモリを2枚1組のデュアルチャネルで動作します。
L2キャッシュがCore2シリーズよりも少なくなっていますが、Core2シリーズのL2よりも高速でL2縮小というよりもL1キャッシュの補助的なものになっています。L3キャッシュがこれまでのL2キャッシュの位置づけです。
モデルナンバーごとの性能
コア 数 |
スレッド 数 |
GPU クロック |
基本動作 クロック |
6コア 5コア |
4コア 3コア |
2コア | 1コア | TDP | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i7-990X EE | 6 | 12 | 3.46GHz | 3.60 | 3.73 | 130W | |||
Core i7-980X EE | 3.33GHz | 3.46 | 3.60 | 130W | |||||
Core i7-970 | 3.20GHz | 3.33 | 3.46 | 130W | |||||
Core i7-975 EE | 4 | 8 | 3.33GHz | 3.46 | 3.60 | 130W | |||
Core i7-965 EE | 3.20GHz | 3.33 | 3.46 | 130W | |||||
Core i7-960 | 3.20GHz | 3.33 | 3.46 | 130W | |||||
Core i7-950 | 3.06GHz | 3.20 | 3.33 | 130W | |||||
Core i7-940 | 2.93GHz | 3.06 | 3.20 | 130W | |||||
Core i7-930 | 2.80GHz | 2.93 | 3.06 | 130W | |||||
Core i7-920 | 2.66GHz | 2.80 | 2.93 | 130W | |||||
Core i7-2600K | 4 | 8 | 3000搭載 最大 1350MHz |
3.4GHz | 3.5/3.6 | 3.7 | 3.8 | 95W | |
Core i7-2600 | 最大 1350MHz | ||||||||
Core i7-2600S | 最大 1350MHz | 2.8GHz | 2.9/3.3 | 3.7 | 3.8 | 65W | |||
Core i5-2500K | 4 | 4 | 3000搭載 最大 1100MHz |
3.3GHz | 3.4/3.5 | 3.6 | 3.7 | 95W | |
Core i5-2500 | 最大 1110MHz | ||||||||
Core i5-2500S | 最大 1100MHz | 2.7GHz | 2.8/3.2 | 3.6 | 3.7 | 65W | |||
Core i5-2500T | 最大 1250MHz | 2.3GHz | 2.4/2.8 | 3.2 | 3.3 | 45W | |||
Core i5-2400 | 最大 1100MHz | 3.1GHz | 3.2/3.3 | 3.3 | 3.4 | 95W | |||
Core i5-2400S | 最大 1100MHz | 2.5GHz | 2.6-2.8 | 3.2 | 3.3 | 65W | |||
Core i5-2390T | 2 | 4 | 最大 1100MHz | 2.7GHz | ? | 3.5 | 35W | ||
Core i5-2300 | 4 | 4 | 最大 1100MHz | 2.8GHz | 2.9/3.0 | 3.0 | 3.1 | 95W | |
Core i3-2120 | 2 | 4 | 最大 1100MHz | 3.3GHz | 3.3 | 3.3 | 65W | ||
Core i3-2100 | 最大 1100MHz | 3.1GHz | 3.1 | 3.1 | 65W | ||||
Core i3-2100T | 最大 1100MHz | 2.5GHz | 2.5 | 2.5 | 35W | ||||
Core i7-875K | 4 | 8 | 2.93GHz | 3.20 | 3.46 | 3.60 | 95W | ||
Core i7-870 | 2.93GHz | 3.20 | 3.46 | 3.60 | 95W | ||||
Core i7-870s | 2.66GHz | 2.80 | 3.60 | 82W | |||||
Core i7-860 | 2.80GHz | 2.93 | 3.33 | 3.46 | 95W | ||||
Core i7-860s | 2.53GHz | 2.53 | 3.33 | 3.46 | 82W | ||||
Core i5-760 | 4 | 4 | 2.80GHz | 2.93 | 3.33 | 3.46 | 95W | ||
Core i5-750 | 2.66GHz | 2.80 | 3.20 | 95W | |||||
Core i5-750s | 2.40GHz | 2.40 | 3.20 | 82W | |||||
Core i5-680 | 2 | 4 | 733MHz | 3.60GHz | 3.73 | 3.86 | 73W | ||
Core i5-670 | 733MHz | 3.46GHz | 3.60 | 3.73 | 73W | ||||
Core i5-661 | 900MHz | 3.33GHz | 3.46 | 3.60 | 87W | ||||
Core i5-660 | 733MHz | 3.33GHz | 3.46 | 3.60 | 73W | ||||
Core i5-655K | 733MHz | 3.20GHz | 3.33 | 3.46 | 73W | ||||
Core i5-650 | 733MHz | 3.20GHz | 3.33 | 3.46 | 73W | ||||
Core i3-550 | 733MHz | 3.20GHz | 3.20 | 73W | |||||
Core i3-540 | 733MHz | 3.06GHz | 3.06 | 73W | |||||
Core i3-530 | 733MHz | 2.93GHz | 2.93 | 73W | |||||
Core i7-920XM | 4 | 8 | 2.00GHz | 2.26 | 3.06 | 3.20 | 55W | ||
Core i7-820QM | 1.73GHz | 2.00 | 2.80 | 3.06 | 45W | ||||
Core i7-720QM | 1.60GHz | 1.73 | 2.40 | 2.80 | 45W | ||||
Core i7-620M | 2 | 4 | 500~ 766MHz | 2.66GHz | ? | 3.33 | 35W | ||
Core i7-640LM | 266~ 566MHz | 2.13GHz | ? | 2.93 | 25W | ||||
Core i7-620LM | 266~ 566MHz | 2.00GHz | ? | 2.80 | 25W | ||||
Core i7-640UM | 166~ 500MHz | 1.20GHz | ? | 2.26 | 18W | ||||
Core i7-620UM | 166~ 500MHz | 1.06GHz | ? | 2.13 | 18W | ||||
Core i5-540M | 500~766MHz | 2.53GHz | ? | 3.06 | 35W | ||||
Core i5-520M | 500~766MHz | 2.40GHz | ? | 2.93 | 35W | ||||
Core i5-520UM | 166~ 500MHz | 1.06GHz | ? | 1.86 | 18W | ||||
Core i5-430M | 500~766MHz | 2.26GHz | ? | 2.53 | 35W | ||||
Core i3-350M | 500~766MHz | 2.26GHz | 2.26 | 2.26 | 35W | ||||
Core i3-330M | 500~766MHz | 2.13GHz | 2.13 | 2.13 | 35W |
語尾のKはデスクトップの倍率ロックフリー版。Extreme Editionと同じくCPU動作倍率がロックされておらず、CPU動作のみのオーバークロックを簡単に行うことができます。オーバークロックによる動作可能な性能はCPUの個体差や環境により異なります。
語尾のSはデスクトップの低消費電力版。Core2と異なり通常のクロックが低くなっています。ターボブーストによる最大クロックは通常モデルと同じです。
語尾のTはデスクトップの低電圧版。低い電圧で最適化されたクロック設定のため性能は下位モデル程度になります。メディアサーバーなど、常時起動しておきたいPCに最適です。Core i5-2390Tは4コアではなくCore i3と同じ2コアなことに注意が必要です。
語尾のMはノートPC用のCPUです。語尾のUMはとても少ない消費電力で動作するモデルに付けられています。
Core iシリーズではTurboBoost機能によりTDP(温度と電力)に余裕がある場合はベースクロックを基準に動作クロック倍率が高くなります。
Core2ではクロックの高いCore2 Duoがクロックの低いCore2 Quadよりも性能が高い場合がありましたが、Core iでは動作するコアの数とTDPに応じて動作クロックが高くなるため、状況に応じて効率よく高性能な動作が可能になりました。
Core iのベースクロックは133MHzです。Core i7-920の基本動作クロックはベースクロックの20倍で2660MHz、TurboBoostにより4コア動作時21倍(2793MHz)~1コア動作時22倍(2926MHz)となります。ノートPCのCore i7-920XMではTurboBoostにより4コア動作時17倍(2261MHz)~1コア動作時24倍(3192MHz)となります。
Core i7-900よりもCore i7-800がより高い動作が可能になっています。このことにより、CPUクロックが大きく影響する場合に於いて、Core i7-920がCore i7-860よりも性能が低くなります。デュアルコアの動作の場合、Core i7-920は最大で2.80GHzですが、Core i7-860では最大で3.33GHzでの動作が可能になっています。
CPUの価格は同等ですが、マザーボードやメモリを含めるとX58チップセットと3枚のDDR3メモリのCore i7-900よりも、P55チップセットと2枚のDDR3メモリCore i7-800シリーズが安くなります。
Core i5は2コアの場合でもHyper-Threading機能により4スレッドとなります。スレッド数は同時に実行できる処理の数を表しています。処理を均等に配分できる場合、3GHzでの4コア4スレッドは1つの処理は3GHzの速度、2コア4スレッドでは1つの処理は半分の1.5GHzに遅くなります。Core i5-600はCPUコアが半分のデュアルコアとなりキャッシュも半分になったことで発熱が下がりi5-700よりもクロックが高くなっています。
Core i5/i3のグラフィック機能は一般用途向けの性能です。3Dゲームでは、ビデオカードに置き換われるほどの性能には達していません。
ノートPCの場合
ノートPCでは基本動作クロックは低いですが、TurboBoostでのクロック上昇はデスクトップよりも大きくなっています。動作するコア数が少なくTDPに余裕がある場合はデスクトップのようにとても高い性能を発揮します。これは同じCPUを搭載してもノートPCの熱設計により実際の動作では大きな差が現れることを意味します。発熱をうまく逃がす構造に作られていないとTurboBoostが十分に機能しません。
Core i7-600はGPU内蔵CPUです。GPUもCPUのように標準のクロックは低くなっており、高い性能が必要で発熱が増えても安全に動作する場合のみクロックが引き上げられます。
用語
Nehalem、Bloomfield、Lynnfield、Clarkdale、Clarksfield、ArrandaleはCPUの設計を表す名称(コードネーム)です。開発のためにつけられた名称のため深い意味はありません。番号だけで表されるよりは分かりやすいです。NehalemはCPUコアの世代を表し上位の設計を表します。BloomfieldもLynnfieldもNehalemであるのでちょっと分かりにくいですね。製品名ではCore iがNehalemで、i7-900がBloomfieldとなります。一般にはCore i7やi6などの製品名の方が重要ですので、コードネームは気にしないでください。難しいと感じている方、購入に必要な製品名とそれと一緒に必要なものだけを把握すれば構いません。
Core i7-xxx/i5-xxxは販売に伴うモデル名です。CPUのグレード(性能の違いなど)が分かる名称になっています。使う側では設計を意識する必要は無いので、設計が異なっても気にせずに選ぶことができます。ただし、マザーボードが対応しているCPUでないと使えませんので、モデル名だけで選ぶことはできません。
同じモデルでも新しいCPUは古いマザーボードでは正常に動作できない場合があります。設計が同じ場合はBIOSを更新することで対応可能ですが、新しいCPUが登場する前のBIOSには正しい設定がないため古いCPUを使わないとBIOSの更新ができない場合があります。マザーボードとCPUを一緒に購入する場合は対応しているかご確認ください。BIOSの更新サービスがあるお店もあります。
Hyper-Threadingは通称HTテクノロジ。1コアのCPUに二つの命令を流し込み処理することができます。2コア4スレッドでは2つのコアで4つの命令を処理することができます。1つの命令のCPU負荷が高い場合、混雑してしまい遅くなることがあります。
TueboBoost(ターボブースト)はCPUのコアクロックを上昇させる機能です。TDPに余裕がある場合に性能が引き上げられます。TDPは熱設計電力を表し、CPUが安全に動作できる指標です。実際には動作状況により発熱と電力は変化します。同じTDPには同じ設計が使えるというだけで、TDPが同じでもCPUごとに発熱と電力は異なります。
他にSSE4もCPU機能の1つです。SSE系はゲームや動画などマルチメディアの処理を速くするための機能となっています。
販売店
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