GeForce GTX1070 の性能
概要
GeForce GTX1070 は 現在5~6万円で販売されています。
GTX1070 | GTX960 | GTX670 | |
---|---|---|---|
CUDAプロセッサーコア数 | 1920 基 | 1024 基 | 1344 基 |
テクスチャユニット数 | 120 基 | 64 基 | 112 基 |
コアクロック | 1506 MHz | 1126 MHz | 915 MHz |
ブーストクロック | 1683 MHz | 1178 MHz | 980 MHz |
ビデオメモリの種類 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 |
ビデオメモリクロック | 8008 MHz 相当 | 7010 MHz 相当 | 6008 MHz 相当 |
ビデオメモリ 容量 | 8GB | 2GB | 2GB |
ビデオメモリ バス幅 | 256bit 256GB/s | 128bit 112.2GB/s | 256bit 192.26GB/s |
最大消費電力(TDP) | 150W | 120W | 170W |
GeForce GTX1070はGTX670から基本性能が大幅に向上しながらも消費電力は低下しています。GTX960はランクが1つ下ながらも旧世代のGTX670と性能が同等になっています。購入していませんがGTX1000世代では2ランク下のGTX1050TiがGTX670やGTX960と同等の性能になっています。
GTX1070のTDPはGTX670よりも低いですが、負荷が大きいときの消費電力はGTX670より高くなりました。
対象製品 レビュー
MSI GeForce GTX 1070 GAMING Z 8G
MSI GeForce GTX 1070 GAMING Z 8G | |
CUDAプロセッサーコア数 | 1920 基 |
ベースクロック | 1632 MHz (ゲーミングモード時) |
ブーストクロック | 1835 MHz (ゲーミングモード時) |
ビデオメモリの種類 | GDDR5 |
ビデオメモリクロック | 8108 MHz (ゲーミングモード時) |
ビデオメモリ 容量 | 8GB |
ビデオメモリ バス幅 / クロック | 256bit |
最大解像度 / 画面数 | 7680 x 4320(DP1.4使用時) |
モニター出力コネクタ | DualLink DVI-D HDMI 2.0 DysplayPort 1.4 x3基 |
最大同時出力画面数 | 4 |
対応API | Direct X 12 / OpenGL 4.5 / VR Ready |
対応スロット | PCI Express 3.0 x16 SLI対応 |
最大消費電力 | 150W |
補助電源コネクタ | PCIE 8pin x1 / 6pin x1 |
カードサイズ | 279 x 140 x 42 (奥行き×高さ×幅) |
カードサイズが大きいため取り付け可能か注意が必要です。このグラボは長さだけでなく内部での高さも広がっています。
MSI Gaming Appで設定を切り換えない場合はゲーミングモードが標準の動作となります。Gaming Appを起動中は動作が重くなる場合があるのでOCモードの性能を当てにしない方がよいです。MSI Afterburnerを使うと自分で動作クロックを調整することができます。クロック設定などを独自に変更すると故障時の保証が受けられなくなるのでご注意ください。
GTX670/960/1070の形状比較
赤いシールは使うコネクター位置をマークしたものです。製品にはありませんので気にしないでください。
形状はGIGABYTE GV-N670OC-2GDが3連ファン搭載で横幅がブラケットとほぼ同じ広さになっています。MSIのGTX 960 GAMING 2GとGTX 1070 GAMING Z 8Gはブラケットから大きく飛び出すほど幅が広くなり、大型のファンを2基搭載しています。このため、PCケースのサイドカバーからマザーボードまでの奥行きに注意が必要です。カードの幅だけでなく、電源ケーブルを横から接続するスペースも必要です。。
MSI GeForce GTX 1070 GAMING Z 8Gは基板を歪みから保護する金属製のバックプレートが搭載されています。ロゴの部分が光る設計になっています。
MSI GTX 960 GAMING 2GとMSI GeForce GTX 1070 GAMING Z 8Gは負荷が低いときはファンの回転が止まります。よほど負荷の高い動作でない限り騒音はあまり目立ちません。
MSI GeForce GTX 1070 GAMING Z 8GのDVI出力はDVI-Dのみの対応となりアナログ出力(DVI-I / D-Sub)ができなくなりました。
ベンチマーク結果 まとめと感想
GeForce GTX1070は2014年に発売したランクが1つ下のGTX960や2012年に発売した同じランクのGTX670よりも2倍以上性能が高くなっています。
GeForce GTX1070はフルハイビジョンでは最高画質でほとんどのゲームが快適に楽しむことができます。録画でGPUを使いながらのゲームプレイもそれなり(設定や負荷による)に可能です。性能が高く、高精細な4Kモニターで臨場感を楽しむゲームプレイも可能になりました。
ベンチマーク結果
スクリーンショットは低解像度のウインドウモードで撮影しておりますが、ベンチマークは一部を除いてフルスクリーンで実行しています。
スクリーンショットの画像は対象のグラボを使用したものとは限りません。すべての説明で同じ画像を掲載しています。
PCMARK10
PCMARK10はWindows10時代の実用性を測るベンチマークです。グラボだけではなくPCの総合性能を測定します。
EssentialはPCの基本性能を測定します。
Productivityはビジネスアプリケーションを想定した性能を測定します。
Digital Content Creationは写真や動画などを使ったコンテンツ制作の性能を測定します。
Gamingはゲーム性能を測定します。
グラボの性能の影響が大きいのはDigital Content CreationとGamingです。
総合スコアはノーマルの「PCMark 10」は無料版でも実行でき、他との比較に使いやすいスコアです。Gaming以外のテストが含まれています。
オフィスPCではEssentialとProductivityのみが含まれる「PCMark 10 Express」がスコアの比較に使いやすいです。
ゲーミングPCでは「PCMark 10 Extended」のスコアが高いほど、ゲームの起動が速い、あアップデートの処理が早い、など他のベンチマークの結果には表れない違いを見ることができます。
PCMARK10 v1.0.1275 総合スコア |
GTX1070 | GTX960 | GTX670 |
---|---|---|---|
PCMark 10 V1.0 | 5467 | 4650 | 4275 |
PCMark 10 Express | 4810 | 4491 | 4389 |
PCMark 10 Extended | 6767 | 4920 | 4584 |
PCMark 10 Extended 個別スコア |
GTX1070 | GTX960 | GTX670 |
---|---|---|---|
Essential | 7953 | 7913 | 7818 |
Productivity | 7914 | 6969 | 6642 |
Digital Content Creation | 7061 | 5058 | 4127 |
Gaming | 12751 | 5677 | 5568 |
3DMARK
3DMARKはDirect X11/X12世代のグラフィック性能を測定します。
「Fire Strike」で総合スコアが2800を下回る場合は,Sky Diverのスコアで比較する必要があります。
「Sky Diver」で総合スコアが12000を上回る場合は,Fire Strikeのスコアで比較する必要があります。
「TimeSpy」はDirect X12、「Sky Diver」と「Fire Strike」はDirect X11が使われています。
3DMARK 2.3.3732 総合スコア |
GTX1070 | GTX960 | GTX670 |
---|---|---|---|
Sky Diver V1.0 | 33591 | 20506 | 20189 |
Fier Strike V1.1 | 15246 | 6731 | 6608 |
Fire Strike Extreme V1.1 | 8361 | 3466 | 3277 |
Fire Strike Ultra V1.1 | 4561 | 1176 | 613 |
Time Spy V1.0 | 5967 | 2487 | 2087 |
VRMARK
VRMARKはVR(Virtual Reality)向けの2つの映像を同時に表示する性能を測定するベンチマークです。
Orange Roomは現在普及しているVR映像を想定したもの、Blue Roomは未来型の高精細な映像を想定したものになっています。
デスクトップモードではフレームレートが109fps以上、HMDモードではフレームレートが89.9fps以上必要とされています。
VR Readyには5000以上のスコアが必要とされています。
GeForce GTX1070はVR Readyが謳われており、VRでも快適な性能を実現しています。
VRMARK 総合スコア - 平均フレームレート |
GTX1070 | GTX960 | GTX670 |
---|---|---|---|
Orange Room v1.0 | 9940 - 109.00 | 2487 - 88.83 | 3334 - 72.67 |
Blue Room v1.0 | 1922 - 41.91 | 713 - 15.55 | 603 - 13.15 |
CINEBENCH R15
CINEBENCHはOpenGLによる描画性能を測定します。 OpenGLに対応したアプリの描画処理速度に影響します。
CINEBENCH R15 フレームレート |
GTX1070 | GTX960 | GTX670 |
---|---|---|---|
OpenGL | 146.55 fps | 150.82 fps | 152.39 fps |
Heaven 4.0
HeavenはDirect Xの3Dグラフィック性能を測定するベンチマークです。3DMARKと異なり、ほぼ純粋なグラボの性能を測定します。
ゲーム性能ではなく、純粋にグラフィックボードの描画性能を測るベンチマークです。グラフィックボードの描画性能以外の要素は極力排除されています。
Heaven 4.0 スコア |
GTX1070 | GTX960 | GTX670 |
---|---|---|---|
OpenGL | |||
1920x1080 | 3832 | 1308 | 1200 |
3840x2160 | 837 | 282 | 261 |
DX9 | |||
1920x1080 0xAA | 4148 | 1432 | 1327 |
3840x2160 0xAA | 848 | 293 | 279 |
DX11 | |||
1920x1080 0xAA | 4079 | 1443 | 1480 |
3840x2160 0xAA | 913 | 306 | 345 |
3840x2160 8xAA | 658 | 102 | 53 |
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク
FF14 紅蓮のリベレーターの動作の目安となるベンチマークです。
スコアが3500以上で快適、7000以上で非常に快適に動作できる目安となります
Fainal Fnatasy XIV: スコア |
GTX1070 | GTX960 | GTX670 |
---|---|---|---|
1920x1080 | |||
標準品質(デスクトップPC) | 19366 非常に快適 | 14853 非常に快適 | 14836 非常に快適 |
最高品質 | 15337 非常に快適 | 7284 非常に快適 | 7244 非常に快適 |
3840x2160 | |||
標準品質(デスクトップPC) | 12634 非常に快適 | 4643 快適 | 5247 とても快適 |
最高品質 | 5757 とても快適 | 1587 設定変更を推奨 | 1632 設定変更を推奨 |
GeForce GTX1070では高精細な4Kモニターでも快適な性能を実現しています。フルハイビジョンでは常に最高画質でも問題の無い性能です。重くなる場合はディスクからの読込やCPU処理や通信回線が原因の可能性が高いです。性能に余裕が有るので、録画でGPU処理が使われる場合でもそれなり(設定と負荷による)にプレイ可能です。
PSO2キャラクタークリエイト体験版 EPISODE4
PSO2 キャラクタークリエイト体験版EPISODE4 での測定です。
実際のゲームプレイに近い表現となり、スコアはそのままゲームのプレイのしやすさに反映されます。
PSO2キャラクタークリエイト体験版 EPISODE4 スコア |
GTX1070 | GTX960 | GTX670 |
---|---|---|---|
1920x1080 | |||
簡易描画設定1 | 162147 | 187899 | 146599 |
簡易描画設定3 | 103586 | 86691 | 74144 |
簡易描画設定6 | 58681 | 22209 | 21906 |
GeForce GTX1070はとても余裕のある性能です。
ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン ベンチマーク Ver1.10
ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン ベンチマーク での測定です。
FF14よりも軽い作りになっています。
ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 スコア |
GTX1070 | GTX960 | GTX670 |
---|---|---|---|
1920x1080 | |||
標準品質 | 19773 すごく快適 | 19568 すごく快適 | 19214 すごく快適 |
最高品質 | 20188 すごく快適 | 19096 すごく快適 | 19003 すごく快適 |
3840x2160 | |||
標準品質 | 18450 すごく快適 | 10915 すごく快適 | 11820 すごく快適 |
最高品質 | 16556 すごく快適 | 8169 とても快適 | 9478 すごく快適 |
GeForce GTX1070はとても余裕のある性能です。
DiRT RALLY
レースゲーム「DiRT RALLY」を使った性能測定です。ゲーム本体にベンチマーク機能があります。
DiRT RALLYは1台ずつ山道などを順番に走り抜けて速度を競うレースゲームになっています。レースゲームの中では景色の負荷が高いです。
DiRT RALLY 平均FPS - 最低FPS |
GTX1070 | GTX960 | GTX670 |
---|---|---|---|
1920x1080 Multisampling:OFF | |||
プリセット Low | 193.64 - 114.29 | 193.96 - 119.70 | 182.36 - 119.12 |
1920x1080 Multisampling:4xMSAA | |||
プリセット Medium | 178.42 - 114.53 | 111.38 - 91.54 | 113.43 - 93.13 |
プリセット Ultra | 111.59 - 85.76 | 60.50 - 51.16 | 62.52 - 52.74 |
3840x2160 Multisampling:4xMSAA | |||
プリセット Medium | 96.88 - 80.14 | 36.72 - 30.20 | 37.73 - 30.83 |
プリセット Ultra | 58.94 - 52.21 | 22.35 - 19.50 | 23.31 - 20.01 |
レースゲームなので最低FPSが30以上であることが快適な動作の目安となります。
GeForce GTX1070ではフルハイビジョンでは最高画質設定でも滑らかな表示が可能です。4Kモニターを使うと臨場感がかなり変わって美しく感じます。
GRID Autosport
レースゲーム「GRID Autosport」を使った性能測定です。ゲーム本体にベンチマーク機能があります。
GRID Autosportは実在するサーキットが中心となり、熱いモータースポーツが楽しめるレースゲームとなっています。
GRID Autosport 平均FPS - 最低FPS |
GTX1070 | GTX960 | GTX670 |
---|---|---|---|
1920x1080 マルチサンプリング:オフ |
|||
ロー | 238.85 - 172.22 | 233.76 - 170.79 | 232.16 - 168.78 |
1920x1080 4xMSAA | |||
ミディアム | 190.35 - 145.37 | 187.75 - 150.05 | 193.97 - 147.73 |
ウルトラ | 146.04 - 114.06 | 84.57 - 68.43 | 85.53 - 74.18 |
3840x2160 4xMSAA | |||
ミディアム | 178.62 - 144.80 | 70.25 - 53.35 | 75.88 - 57.79 |
ウルトラ | 101.84 - 81.74 | 37.75 - 30.44 | 35.42 - 28.27 |
レースゲームなので最低FPSが30以上であることが快適な動作の目安となります。
GeForce GTX1070では4Kモニターでも滑らかな表示が可能です。高精細な表示のレースゲームでは臨場感があがって楽しめます。
Battlefield 4
Battlefieldは銃を撃ち合うFPSゲームです。高画質なDirect X11.1に対応しています。
こちらも実ゲームを用いていますがゲームにベンチマーク機能が搭載されているわけではないため、Frapsでフレームレートを記録しています。
同じシーンで測定できるように、4Gamer.net ハードウェアベンチマークレギュレーション 15.0のセーブデータを用いています。
設定は独自に、低解像度の1280x720とFullHDの1920x1080で、動作優先の低画質設定、中画質設定、最高画質設定で測定しています。測定するときの画面表示はフルスクリーン設定です。
Battlefield 4 平均FPS - 最低FPS |
GTX1070 | GTX960 | GTX670 |
---|---|---|---|
1920x1080 | |||
クオリティ 低 | 200.0 - 198.0 | 168.8 - 156.0 | 158.0 - 139.5 |
クオリティ 中 | 200.0 - 198.0 | 140.4 - 132.5 | 130.4 - 120.0 |
クオリティ 最高 | 162.2 - 151.0 | 60.5 - 56.5 | 64.6 - 56.5 |
3840x2160 | |||
クオリティ 中 | 120.8 - 108.5 | 44.3 - 40.0 | 44.1 - 38.0 |
クオリティ 最高 | 52.8 - 47.5 | 18.5 - 16.5 | 20.6 - 17.5 |
FPSゲームなので最低FPSは60以上が望ましいです。
GeForce GTX1070ではフルハイビジョンで120Hzモニターを使い、細かい動きを素早く察しすることができます。4Kモニターを使う場合は細かい部分までクッキリ表示されて判別しやすくなります。
消費電力
1秒毎に消費電力が記録できる「Watts up? PRO」を用いて測定しています。
アイドルはデスクトップを表示した状態で起動から5分後~10分の間に消費電力が安定して下がった状態を採用しています。その他は測定できた最大の消費電力を採用しています。
ここでの消費電力はPC本体の消費電力です。Wattsup本体や電源が消費する電力やアイドルのHDDやBDドライブなどの電力も含まれています。負荷時は特にCPUや冷却ファンの動作による消費電力の影響も大きくなります。
消費電力 Watts |
GTX1070 | GTX960 | GTX670 |
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デスクトップ表示 アイドル | 54 W | 52 W | 59 W |
FF14: 紅蓮のリベレーター 1920 標準-最高画質- -3840 標準-最高画質 |
310 - 310 - 319 - 298 W | 213 - 195 - 179 - 167 W | 257 - 256 - 237 - 235 W |
Heaven 4.0 | 310 W | 211 W | 274 W |
GeForce GTX1070はGTX670よりもTDPが下がっていますが、負荷時の消費電力が上がりました。負荷が掛かっていないときの消費電力は下がっています。負荷時の消費電力が上がっても性能が大幅に向上しているので、垂直同期を有効にすることでモニターが表示しきれない余分な処理を減らすと消費電力を下げることができます。
PC構成について
- Motherboard
- ASUSTeK Z97A-USB3.1 (Intel Z97)
- CPU
- Intel Core i7-4790K (4.0-4.4GHz 4C8T)
- Memory
- CORSAIR DDR3-1866MHz 8GB (4GB+4GB)
- Storage
- SanDisk Ultra II SDSSDHII-480G-J25C (SSD 480GB)、HDD1台搭載(WD Blue 3TB)、BD 1台搭載(LG WH12LS39K)
- Power Supply
- Seasonic SS-660XP2S (660W, 80PLUS Platinum)
- OS
- Windows10pro 1703