GeForce GT1030 の性能
概要
GeForce GT1030 は 現在1万円前後で販売されています。
GT1030 | GT740 GDDR5 | |
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CUDAプロセッサーコア数 | 384基 | 384基 |
テクスチャユニット数 | 24基 | 32基 |
コアクロック | 1227 MHz | 993 MHz |
ブーストクロック | 1468 MHz | - |
ビデオメモリの種類 | GDDR5 | GDDR5 |
ビデオメモリクロック | 6008 MHz 相当 | 5000 MHz 相当 |
ビデオメモリ 容量 | 2GB | 2GB/1GB |
ビデオメモリ バス幅 | 64bit 48GB/s | 128bit 80GB/s |
最大消費電力(TDP) | 30W | 64W |
GeForce GT1030はGT740よりテクスチャユニット数やビデオメモリ周りが劣るものの、コアクロックの上昇と新世代の設計により実際の動作性能は大きく向上しています。
対象製品 レビュー
MSI GeForce GT 1030 AERO ITX 2G OC
MSI GeForce GT 1030 AERO ITX 2G OC | |
CUDAプロセッサーコア数 | 384基 |
ベースクロック | 1265 MHz |
ブーストクロック | 1518 MHz |
ビデオメモリの種類 | GDDR5 |
ビデオメモリクロック | 6008 MHz |
ビデオメモリ 容量 | 2GB |
ビデオメモリ バス幅 / クロック | 64bit |
最大解像度 / 画面数 | 3840x2160 60Hz (HDMI2.0 接続時) |
モニター出力コネクタ | HDMI 2.0 (最大3840x2160 @60Hz) DVI-D (最大1920x1080 @60Hz) |
対応API | Direct X 12 / OpenGL 4.5 |
対応スロット | PCI Express 3.0 x16(x4接続) |
最大消費電力 | 30W |
対応スロットがPCI Express 3.0のx4ですが、PCI Express 2.0 のx16 に接続して使用することもできます。
ZOTAC GeForce GT 740 2GB DDR5 との形状比較
形状はZOTACのGT740とほぼ同じで大型ファン搭載の静音モデルです。「MSI GeForce GT 1030 AERO ITX 2G OC」ではアナログD-Subコネクタがなく、DVI接続もデジタル専用になっています。
ベンチマーク結果 まとめと感想
GeForce GT1030はGT740からおよそ1.6倍性能が向上しました。購入当時の価格はどちらも1万円程度でした。
GeForce GT1030はフルハイビジョンでも画質設定を調整すれば多くのゲームが楽しめる本格PCゲームの入門モデルとなっています。消費電力が低く、放置プレイの多いオンラインゲームなどのサブ用にも最適です。
ベンチマーク結果
スクリーンショットは低解像度のウインドウモードで撮影しておりますが、ベンチマークは一部を除いてフルスクリーンで実行しています。
スクリーンショットの画像は対象のグラボを使用したものとは限りません。すべての説明で同じ画像を掲載しています。
PCMARK10
PCMARK10はWindows10時代の実用性を測るベンチマークです。グラボだけではなくPCの総合性能を測定します。
EssentialはPCの基本性能を測定します。
Productivityはビジネスアプリケーションを想定した性能を測定します。
Digital Content Creationは写真や動画などを使ったコンテンツ制作の性能を測定します。
Gamingはゲーム性能を測定します。
グラボの性能の影響が大きいのはDigital Content CreationとGamingです。
総合スコアはノーマルの「PCMark 10」は無料版でも実行でき、他との比較に使いやすいスコアです。Gaming以外のテストが含まれています。
オフィスPCではEssentialとProductivityのみが含まれる「PCMark 10 Express」がスコアの比較に使いやすいです。
ゲーミングPCでは「PCMark 10 Extended」のスコアが高いほど、ゲームの起動が速い、あアップデートの処理が早い、など他のベンチマークの結果には表れない違いを見ることができます。
PCMARK10 v1.0.1275 総合スコア |
GT1030 | GT740 |
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PCMark 10 V1.0 | 3971 | 3471 |
PCMark 10 Express | 4308 | 4035 |
PCMark 10 Extended | 3736 | 2925 |
PCMark 10 Extended 個別スコア |
GT1030 | GT740 |
---|---|---|
Essential | 7948 | 7986 |
Productivity | 6699 | 5611 |
Digital Content Creation | 3565 | 2573 |
Gaming | 2778 | 1717 |
3DMARK
3DMARKはDirect X11/X12世代のグラフィック性能を測定します。
「Fire Strike」で総合スコアが2800を下回る場合は,Sky Diverのスコアで比較する必要があります。
「Sky Diver」で総合スコアが12000を上回る場合は,Fire Strikeのスコアで比較する必要があります。
「TimeSpy」はDirect X12、「Sky Diver」と「Fire Strike」はDirect X11が使われています。
3DMARK 2.3.3732 総合スコア |
GT1030 | GT740 |
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Sky Diver V1.0 | 11401 | 6955 |
Fier Strike V1.1 | 3333 | 2042 |
Fire Strike Extreme V1.1 | 1675 | 994 |
Fire Strike Ultra V1.1 | 390 | 346 |
Time Spy V1.0 | 1231 | 588 |
VRMARK
VRMARKはVR(Virtual Reality)向けの2つの映像を同時に表示する性能を測定するベンチマークです。
Orange Roomは現在普及しているVR映像を想定したもの、Blue Roomは未来型の高精細な映像を想定したものになっています。
デスクトップモードではフレームレートが109fps以上、HMDモードではフレームレートが89.9fps以上必要とされています。
VR Readyには5000以上のスコアが必要とされています。
GeForce GT1030はVRに使うには明らかに性能不足です。
VRMARK 総合スコア - 平均フレームレート |
GT1030 | GT740 |
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Orange Room v1.0 | 1886 - 41.11 | 873 - 19.04 |
Blue Room v1.0 | 329 - 7.11 | 157 - 3.43 |
CINEBENCH R15
CINEBENCHはOpenGLによる描画性能を測定します。 OpenGLに対応したアプリの描画処理速度に影響します。
CINEBENCH R15 フレームレート |
GT1030 | GT740 |
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OpenGL | 120.94 fps | 79.45 fps |
Heaven 4.0
HeavenはDirect Xの3Dグラフィック性能を測定するベンチマークです。3DMARKと異なり、ほぼ純粋なグラボの性能を測定します。
ゲーム性能ではなく、純粋にグラフィックボードの描画性能を測るベンチマークです。グラフィックボードの描画性能以外の要素は極力排除されています。
Heaven 4.0 スコア |
GT1030 | GT740 |
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OpenGL | ||
1920x1080 | 627 | 408 |
3840x2160 | 126 | 94 |
DX9 | ||
1920x1080 0xAA | 654 | 484 |
3840x2160 0xAA | 132 | 110 |
DX11 | ||
1920x1080 0xAA | 651 | 455 |
3840x2160 0xAA | 136 | 112 |
3840x2160 8xAA | 35 | 72 |
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク
FF14 紅蓮のリベレーターの動作の目安となるベンチマークです。
スコアが3500以上で快適、7000以上で非常に快適に動作できる目安となります
Fainal Fnatasy XIV: スコア |
GT1030 | GT740 |
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1920x1080 | ||
標準品質(デスクトップPC) | 8517 非常に快適 | 5511 とても快適 |
最高品質 | 3735 快適 | 2157 普通 |
3840x2160 | ||
標準品質(デスクトップPC) | 2203 普通 | 1562 設定変更を推奨 |
最高品質 | 614 動作困難 | 549 動作困難 |
GeForce GT1030ではフルハイビジョンで標準画質よりも高い設定でも快適な動作が可能になりました。
PSO2キャラクタークリエイト体験版 EPISODE4
PSO2 キャラクタークリエイト体験版EPISODE4 での測定です。
実際のゲームプレイに近い表現となり、スコアはそのままゲームのプレイのしやすさに反映されます。
PSO2キャラクタークリエイト体験版 EPISODE4 スコア |
GT1030 | GT740 |
---|---|---|
1920x1080 | ||
簡易描画設定1 | 149917 | 106489 |
簡易描画設定3 | 28214 | 7682 |
簡易描画設定6 | 5655 | 1874 |
GeForce GT1030はフルハイビジョンでも最高画質で快適なプレイが可能になりました。ただし、性能に余裕がないので実ゲームプレイでは場面によっては重くなることがあります。
ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン ベンチマーク Ver1.10
ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン ベンチマーク での測定です。
FF14よりも軽い作りになっています。
ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 スコア |
GT1030 | GT740 |
---|---|---|
1920x1080 | ||
標準品質 | 16476 すごく快適 | 11207 すごく快適 |
最高品質 | 12931 すごく快適 | 9106 とても快適 |
3840x2160 | ||
標準品質 | 5078 快適 | 2642 やや重い |
最高品質 | 3444 普通 | 1929 重い |
GeForce GT1030ではフルハイビジョンの最高品質の画質設定でもすごく快適の結果になりました。
DiRT RALLY
レースゲーム「DiRT RALLY」を使った性能測定です。ゲーム本体にベンチマーク機能があります。
DiRT RALLYは1台ずつ山道などを順番に走り抜けて速度を競うレースゲームになっています。レースゲームの中では景色の負荷が高いです。
DiRT RALLY 平均FPS - 最低FPS |
GT1030 | GT740 |
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1920x1080 Multisampling:OFF | ||
プリセット Low | 95.04 - 71.10 | 54.34 - 44.21 |
1920x1080 Multisampling:4xMSAA | ||
プリセット Medium | 50.18 - 40.65 | 34.29 - 28.33 |
プリセット Ultra | 29.04 - 23.69 | 18.27 - 14.95 |
3840x2160 Multisampling:4xMSAA | ||
プリセット Medium | 15.94 - 12.73 | 12.52 - 12.50 |
プリセット Ultra | 12.51 - 12.50 | 125.0 - 12.50 |
レースゲームなので最低FPSが30以上であることが快適な動作の目安となります。
GeForce GT1030ではフルハイビジョンの標準画質以上で楽しむことができます。
GRID Autosport
レースゲーム「GRID Autosport」を使った性能測定です。ゲーム本体にベンチマーク機能があります。
GRID Autosportは実在するサーキットが中心となり、熱いモータースポーツが楽しめるレースゲームとなっています。
GRID Autosport 平均FPS - 最低FPS |
GT1030 | GT740 |
---|---|---|
1920x1080 マルチサンプリング:オフ |
||
ロー | 148.91 - 106.45 | 94.16 - 66.37 |
1920x1080 4xMSAA | ||
ミディアム | 99.29 - 80.04 | 65.65 - 50.87 |
ウルトラ | 45.03 - 38.38 | 26.10 - 21.90 |
3840x2160 4xMSAA | ||
ミディアム | 36.85 - 26.35 | 21.64 - 15.09 |
ウルトラ | 18.88 - 14.36 | 12.53 - 12.50 |
レースゲームなので最低FPSが30以上であることが快適な動作の目安となります。
GeForce GT1030ではフルハイビジョンの画質設定がウルトラでも楽しむことができますが、コースによっては最低FPSがもっと下がる場合があります。
Battlefield 4
Battlefieldは銃を撃ち合うFPSゲームです。高画質なDirect X11.1に対応しています。
こちらも実ゲームを用いていますがゲームにベンチマーク機能が搭載されているわけではないため、Frapsでフレームレートを記録しています。
同じシーンで測定できるように、4Gamer.net ハードウェアベンチマークレギュレーション 15.0のセーブデータを用いています。
設定は独自に、低解像度の1280x720とFullHDの1920x1080で、動作優先の低画質設定、中画質設定、最高画質設定で測定しています。測定するときの画面表示はフルスクリーン設定です。
Battlefield 4 平均FPS - 最低FPS |
GT1030 | GT740 |
---|---|---|
1920x1080 | ||
クオリティ 低 | 84.4 - 74.5 | 46.8-40.0 |
クオリティ 中 | 70.6 - 65.0 | 38.8-34.5 |
クオリティ 最高 | 32.4 - 29.5 | 19.7-17.0 |
3840x2160 | ||
クオリティ 中 | 22.0 - 19.5 | 12.1-10.0 |
クオリティ 最高 | 9.6 - 8.0 |
FPSゲームなので最低FPSは60以上が望ましいです。
GeForce GT1030ではフルハイビジョンで画質のクオリティが中設定以下で楽しむことができます。場面によってはこの結果よりも性能が低くなる場合があります。
消費電力
1秒毎に消費電力が記録できる「Watts up? PRO」を用いて測定しています。
アイドルはデスクトップを表示した状態で起動から5分後~10分の間に消費電力が安定して下がった状態を採用しています。その他は測定できた最大の消費電力を採用しています。
ここでの消費電力はPC本体の消費電力です。Wattsup本体や電源が消費する電力やアイドルのHDDやBDドライブなどの電力も含まれています。負荷時は特にCPUや冷却ファンの動作による消費電力の影響も大きくなります。
消費電力 Watts |
GT1030 | GT740 |
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デスクトップ表示 アイドル | 44 W | 49 W |
FF14: 紅蓮のリベレーター 1920 標準-最高画質- -3840 標準-最高画質 |
144 - 113 - 101 - 87 W | 118 - 113 - 104 - 115 W |
Heaven 4.0 | 110 W | 127 W |
PC構成について
- Motherboard
- ASUSTeK Z97A-USB3.1 (Intel Z97)
- CPU
- Intel Core i7-4790K (4.0-4.4GHz 4C8T)
- Memory
- CORSAIR DDR3-1866MHz 8GB (4GB+4GB)
- Storage
- SanDisk Ultra II SDSSDHII-480G-J25C (SSD 480GB)、HDD1台搭載(WD Blue 3TB)、BD 1台搭載(LG WH12LS39K)
- Power Supply
- Seasonic SS-660XP2S (660W, 80PLUS Platinum)
- OS
- Windows10pro 1703