Vista対応パソコンの選び方
概要
Windows VistaはWindows XPの次の世代のOS(基本システム)です。Windows XPよりも高い性能が必要になります。
ここでは、Windows Vista搭載パソコンを快適に使うための選び方をご案内します。
XPより高い性能が要求される部分
特に注意が必要なのは、メモリー搭載量とビデオカードです。
Windows Vistaでは最低512MBのメインメモリーが必要です。Windows Vistaの機能だけで512MB近く使用されてしまうので、Windows Vistaで何かをするためにはそれ以上のメモリーが最低必要になります。512MBでは実質、メモリ不足になりやすいので、できれば2GBのメモリーを搭載することをおすすめします。
メモリ不足に陥るとパソコンの性能が高くても無意味になってしまいます。どんなに高性能なパソコンでもメモリー不足では極端に動作が遅くなってしまうため意味がありません。極端にメモリー不足では、アプリケーションが起動できなかったりエラーが多発するなどトラブルが増えてしまいます。
Windows Vistaではウインドー表示などがWindows Aeroという新しいインターフェースがあります。今までは平面的に重ねて表示されていたのが、立体的に配置されます。そのため、Windows XPでは必要のなかった3D描画性能が必要になり、Direct X9が快適に動作するビデオカードが必要です。
描画性能が足りない場合、Windows Aeroは使用できません。その場合、Windows XPのように平面的な描画になります。また、Windows Vista Home BasicにはWindows Aero機能自体ありません。
ビデオカードは通常は描画専用のメモリVRAMを搭載していますが、下位モデルではメインメモリーと共有するタイプが存在します。この場合、メインメモリーの使える量が少なくなるので、メインメモリーがたくさん必要なWindows Vistaではおすすめできません。
目的に応じて選ぶ
Windows Vista Capable PC
Windows Vistaが最低限動作するパソコンです。Windows Vista Home Basicが対象になります。
最低限の性能しか満たしていないため、Windows Vistaの基本機能だけ使用する用途向きです。Web、ブログ、ショッピング、メールといったインターネット全般や、単純なオフィスアプリケーションの使用や印刷といったあまり性能が必要のない用途向きです。
Windows Vista Premium Ready PC
Windows Aeroが動作する性能を満たしたパソコンです。Windows Vista Home PremiumやBussinesが対象になります。
様々なアプリケーションを追加して活用することができます。Windows Vista Premium Ready PCはWindows Vistaを使いこなすための性能を満たしているだけであり、実際には何をするのかによって性能を選ぶ必要があります。
より具体的に選ぶ
インターネット主体
Windows Vistaの標準機能しか使用しないのであれば、Windows Vista Capable PCであれば大丈夫ですが、ストリーミング動画を鑑賞したり、よりセキュリティーを高めたり、Windowsをそのまま使うことは少ないと思います。
メモリー:1GB
最低限、メモリーだけは1GB搭載されているのが望ましいでしょう。Windows Aeroを使用しないのならビデオカードは気にする必要はありません。CPUは予算に応じてお選びください。高性能CPUの必要はないとしても、CPUの性能があまり低いとインターネットの表示が遅れたりします。
一般
音楽や写真の編集・整理やテレビの録画などのマルチメディアや、裏でウイルス対策などシステムユーティリティーを動作させたり、多くの情報を扱うオフィスアプリケーションの動作などに。
CPU:Intel Core 2 Duo / Intel Pentium D / AMD Athlon 64 X2
メモリー:2GB
ビデオカード:nVIDIA GeForce 7300GT~ / ATI RADEON X1600~
上記は目安です。より性能が高いほど処理時間が短くなり快適です。上記を満たしていれば処理時間以外の不満はほとんど無いと思われます。CPUやビデオカードのランクは予算に応じて選んでください。
動画編集など大きなデータを扱うのならメモリを2GBに、動画再生やゲームなどにはランクの高いビデオカードを選んでください。
ディスプレイの解像度が1600x1200以上やワイド液晶などには、ビデオカードのメモリ(VRAM)が256MB以上搭載されているものをおすすめします。
3Dゲーム
3Dゲームは、一般の処理とは大きく異なります。一般の処理では性能に合わせてかかる時間が変化しますが、3Dゲームは時間の流れが一定(リアルタイム)のため、それに合わせた性能が必要です。性能不足で処理が間に合わなくなると、処理落ちが発生して動作がカクカクする、画面がおかしくなる、突然終了してしまうなどの症状が現れます。
CPU:Intel Core 2 Duo E6600~ / AMD Athlon 64 X2 3800+~
メモリー:2GB~
ビデオカード: nVidia GeForce 7600GT~ / ATI RADEON X1650XT~
ゲームや、画質設定により必要な性能は大きく変わります。どのゲームも高画質で快適に遊ぶためにはCPUもビデオカードもできるだけ上位ランクのものほど良いでしょう。
CPU性能が重要なゲームにはCore 2 Duoのキャッシュ4MB版を、CPU性能をあまり必要としないゲームには発熱や電力などバランスを重視してTDP65Wや35WのAthlon 64 X2を選びましょう。
ビデオカードは上位のものほど良いですが、ハイエンドは発熱と消費電力が性能の分高くなり、ミドルレンジでは反対に性能は高くなっても同じか下がる傾向にあります。ゲーム目的にはRADEONよりGeForceがおすすめですが、メーカーPCではRADEONしか選べないことも多いため、RADEONではX1650XTかX1900/X1950系をおすすめします。
ノートPCでは電力と発熱の都合上、ある程度の妥協が必要です。また、ゲーム時にはノートPCクーラーを使うようにしてください。ノートPCで負荷の高い3Dゲームは熱による故障率がとても高くなります。
次世代映像に
HD DVDやBrue-Ray Diskやデジタル番組の視聴に、見落としてはいけないのはビデオカードとディスプレイのHDCP対応接続。
HDCPは不正コピーを防止するデジタル接続で、高画質映像を高画質で表示するのに必要です。双方がHDCPに対応していないと、高画質映像をデジタル接続で表示することができません。
ビデオカードの出力端子とディスプレイの入力端子が、HDMIまたはHDCP対応DVI-Dであるか確認しましょう。