ペガシスの動画編集・変換ソフト『TMPGEnc Video Mastering Works 5 』による動画変換時間と消費電力量を比較しています。
変換元の動画は5分間Full-HDのM2TSファイル(ビデオカメラで撮影した動画に多いファイル形式です)。
変換後はPSP用(480x272 1000Kbps)とHDサイズ(1280x720 4000kbps)の2種類。
消費電力量は電力測定機器Wattsup?PROでログをとり、変換時間分を抽出してシステム全体の消費電力量を算出しています。ポイントは消費電力が大きくても変換に掛かる時間が短ければ電力量は小さくなります。
フィルター処理は「映像ノイズ除去」と「色調補正で彩度を少し高く」しています。
括弧内は組み合わせたCPUを表しています。
3770KはZ77チップセット+Intel Core i7-3770K+DDR3-1600MHzのメモリー+PCI-E3.0対応ソケットの構成です。
Q9650はX48チップセット+Intel Core2 Quad Q9650+DDR2-800MHzのメモリー+PCI-E2.0対応ソケットの構成です。
Core2 Quad Q9650は3.0GHzの4コア4スレッドのCPUです。
Core i7-3770Kは標準クロック 3.5GHzのTB(ターボブースト)3.7-3.9GHzで4コア8スレッド。基本的に3.7(4コア動作時)-3.8GHz(2コアで間に合うとき)での動作になります。
OC4.5GHzはオーバークロック設定で倍率を45倍の4.5GHz4コア8スレッド。
3.4GHz4C4TはCore i5-3470相当の設定で3.4GHz4コア4スレッド。
3.4GHz2C4TはCore i3-3240相当の設定で3.4GHz2コア4スレッド。
ビデオカードだけではなく、CPUの性能による変化も分かるように測定しました。
ビデオカードの測定はGeForce(CUDA)とIntel HD(QSV)のみです。TMPGEnc5はRadeonのGPU変換(AMD-App)には対応していません。
単位は秒数です。目盛り線は2分ごとにしています。数値が小さいほど早いです。
PSPサイズは負荷が低いのが特徴です。負荷が低いため、「フィルターなし」ではほぼCPUのみで変換されています。
「フィルターなし」ではIntel HD4000のQSVが特出して早いですが一番画質が悪いです。
2.4GHzのQ6600と3.0GHzのQ9650でGeForce GTX560Tiの変換速度があまり変わらないのは、CPUが遅い分CUDAの動作が多くなっているためです。
GeForce GT440(Core2 Quad Q9650)の「フィルターなし」が早いのはなぜかCUDAで処理されたためです。他はCUDAの動作はほぼ0%でした。
HDサイズは負荷が大きく、1つの動画変換でもCPUの動作スレッド数やCUDAの動作割合が大きくなります。
GPUを使わないでCPUのみで変換しています。CPUの性能とGPUの性能により、大幅に速くなる場合と変わらない場合があります。高速なCPUに低性能なGPUを使うとCPUのみで変換するよりも遅くなってしまいます。
数値は消費電力量(KWh)です。変換時間分の電力量になります。
5分間の動画なので、30分であれば6倍、1時間では12倍になりますが、性能に余裕がある場合は長い分を分割して同時に処理できるのでもっと効率が良くなります。
Core i7-3770Kの電力は一部を除いて公平な測定では無いので省いています。
CPUクーラーと電源とDVDドライブは共通、SSDはシステムの1枚のみ、メモリは2枚(Core2ではDDR2-800MHz、Core iではDDR3-1600MHz)という必要最低限の構成です。