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PC情報ハードウェアビデオカード
更新:2009/09/02

ビデオカードの種類

使用できるビデオカードを選ぶこと

対応している接続バスを使う

最新のビデオカードはPCI-Express x16での接続が必要。物理的にAGPやPCIには接続することができません。

拡張バス

上記画像はマザーボードASUSTeK P5K-Eのものです。青いスロットがビデオカード用になります。黒いスロットはPCI-Express x4ですが、形状はx16対応になっており、2枚目のビデオカードのCrossFire接続に対応しています。x4なのでバスの帯域が狭いですが、1枚目のビデオカードと連携するのであまり影響しません。

小さな白いスロットはPCI-Express x1で、x1対応の拡張カードを接続します。USB増設カードやTVチューナー等です。同じく白い大きなスロットは旧型のPCIバスで、PCIバス用のUSB増設カードなどを追加することができます。

接続できる形状と大きさが必要

大きさにも注意。小型のPCケースでは物理的に入らない場合があります。また、省スペースPCでは幅が短いLowProfile(ロープロファイル)の形状でないと接続できない場合があります。LowPlofileでは形状だけでなく、消費電力も制限されています。

標準サイズのブラケット形状 ロープロファイル

画像左がRadeon HD4550の標準のブラケットタイプ、右がロープロファイルのブラケットタイプです。ロープロファイル対応のモデルでは両方のブラケットが付属しています。大きさの都合上、D-Sub15ピン接続を使う場合は高さ2段分のスペースが必要です。コネクタの組み合わせ等は製品により異なります。

消費電力と電源の出力

消費電力と補助電源コネクタの有無にも注意が必要です。消費電力が高い場合は電源ケーブルからのPCI-E補助電源の接続が必要です。ビデオカードに搭載されている数だけ接続する必要があります。消費電力が高いほど電源への負担が大きくなりますので、しっかりとした電源が必要になります。

接続が可能でも電源の出力が足りずに動作しない場合や、電源の出力が不安定となりPCを故障させてしまう場合もあります。消費電力の高いビデオカードではPCI-E6ピンや8ピンの電源コネクタの接続が必要です。これは電源に備わっていることが望ましく、通常のペリフェラル電源コネクタから変換して接続した場合は不安定になることがあります。

ビデオカードのPCI-E6ピンコネクタ PCI-E6ピン補助電源コネクタ

PCI-E 6ピンの補助電源コネクタです。接続が必要な場合は接続しないとビデオカードの電力不足により正常に動作しません。当然のことながら、電源に必要電力を安定して出力する能力が必要です。高性能ビデオカードには6ピンを2つ接続するものと、8ピンと6ピンを接続するものがあります。出力が弱い電源はそういったコネクタが電源に付属していません。電源の出力に余裕がある場合は電源コネクタ変換ケーブルを使って接続することもできます。

よくある問題として、電源の容量は高いのに作りが悪くて安定した出力ができずに不安定になることも多いです。電源は容量だけではなく品質もとても重要です。例えば、高価なPCでは性能の割に値段が高いと感じる物がありますが質のよいパーツが使われており、低価格なPCでは性能重視で質の悪い安物パーツが搭載されることが多いです。これはそのまま壊れやすさや動作の不安定さに繋がります。

接続できるバススロット

 パソコンに機能を追加するのにバススロットが使われます。ビデオカードが接続できるバスには、PCI-Express x16、AGP、PCIがあります。

 PCI-Express x16は最新のビデオカード用のバスです。PCI-Expressにはx16/x4/x1が使われていますが、ビデオカードが使えるのはx16です。ただし、SLIで2枚接続するときはx4を代用することがあります。

 AGPはちょっと古いPCでのビデオカード専用のバスです。AGPにもx8/x4/x2があります。高性能ビデオカードはx8で性能が発揮されますが、x4やx2でも互換性があり使用することができます。ただし、メーカーがx4やx2に対応と明記していないものは動作しない可能性があります。

 PCIでは3Dビデオカードの性能は発揮できません。ビデオカード以外の拡張カード用として現在でも使われています。昔はビデオカード(2D)の接続バスとしても使われていました。

PCI-Express、AGP、PCIはそれぞれ規格も形状も異なるため、専用のビデオカードしか使用できません。

さらに、省スペースPCでは幅を短くしたロープロファイル(Low Profile)しか取り付けられないこともあります。どのタイプが使用できるのかはパソコンのマニュアルでご確認ください。

PCの仕様にAGP(0)と書かれてあれば、AGPバスのビデオカードが取り付けられています(交換が可能)。AGP(1)となっていれば、AGPバスは空いていますが使われていません(新たに取り付けることが可能)。AGPバススロットの記述がなければ存在しないのでAGPのビデオカードを取り付けることができません。PCI-Express x16についても同様です。

描画機能がチップセットに内蔵されている場合は、BIOSで設定を変更しないとAGPなどが使えない状態になっていることがあります。詳しくはPCのマニュアルまたはメーカーのサポートにお問い合わせください。

左写真では青い枠で囲った赤いスロットがAGPバスで、下の白いのがPCIバスです。色はマザーボードにより異なります。大きな特徴はAGPバスはPCIより右側に取り付いており、スロットの右側にカードを固定するためのレバーが付いていることです。スロットは右側にずれていてカードを取り付けたときにブラケットが他のカードと同じ位置になります。

ビデオカードも低消費電力化へ

現在、同じ種類のビデオカードが消費電力を低下させて新モデルとして発売されることが増えています。全く同じ性能で消費電力を下げたモデルや、補助電源コネクタを無くすために消費電力を下げて性能も少し下がるモデルがあります。

特に、nVIDIAのGeForceはラインアップが複雑になっています。
GeForce 8800GTは9800GTと名称を変えましたが初期のものは同じモデルです。しかし、現在の9800GTは低消費電力版が発売されています。性能は8800GTからほとんど変わっていません。

それ以外のモデルでも、GTX285や9600GTなど多くのモデルで、初期のモデルよりも大幅に消費電力が低下しています。特に、9600GTはPCI-E6ピン補助電源コネクタの接続が必要でしたが、低消費電力では不要になったことで人気がとても高くなっています。同じようにAMD-ATI Radeonでも同じモデルで消費電力が下がったものが増えてきています。

チップセットに内蔵の描画機能

低価格PCでよく使われるのがビデオカードを持たずに、チップセットに描画機能を持っているものです。ビデオカードが無いので、価格は安くなりますが当然3Dゲームを動かすのには無理があります。多くのゲームはチップセットに内蔵の描画機能では動作対象外とされています。

ビデオカードとチップセットに内蔵の描画機能では機能や性能が大幅に異なります。チップセットに内蔵するためには物理的に小さく無ければなりません。

ビデオカードではGPUが処理を行いビデオメモリに描画します。チップセットに内蔵の描画機能ではGPUもビデオメモリも無いので、CPUとメインメモリが担当します。現在のGPUはCPU並の性能ですので、これをすべてCPUにやらせることはできないので、CPUが処理できる範囲に機能が制限されます。さらに、CPUが通常の処理と描画処理の両方を行うことになるので、処理も大幅に低下してしまいます。

メモリも、メインメモリの一部をビデオメモリの代わりとして確保します。そのため、実際にメインメモリとして使用できるメモリ量が少なくなります。速度的な影響はあまりなく、場合によってはビデオメモリよりも速いこともあります。

一番困るのが、描画機能がチップセットに内蔵されており、ビデオカード用の接続バス(PCI-Express x16やAGP)が存在しないこともあります。この場合はPCIバスのビデオカードしか使えませんが、現在はPCIバスのビデオカードを使用してもチップセットに内蔵されたGPUに劣ることが多いです。

将来はGPUがマザーボード上のチップセットではなくCPUに搭載されるようになります。この場合でも、高速な描画性能が必要な場合は別途ビデオカードを使うことになります。

ノートパソコン

ノートPCでは一般的にはデスクトップのように自分でビデオカードを購入して取り替えることができません。3Dゲーム用のビデオカードが使われていないことが多いので要注意です。

ノートPC用の3Dゲーム用の描画機能はノートPC用のビデオカードとして、MOBILITY RADEONやGeForce Goがあります。これらが使用されていればノートPCでもデスクトップ並に快適にゲームがプレイできます。

ノートPCでゲームをするのなら特にビデオカードに注意してください。店員と相談するときはゲームがプレイできるPCではなく、3DゲームがそれなりにプレイできるPCと言いましょう。特に、カタログなどには3D描画機能があるだけで3Dゲームもできるなどと書かれていることがあり、購入して目的のゲームがまともにプレイできないということがあります。(性能が要求されない3Dゲームなら実際に動作するので騙しではありません)

ノートPCではデスクトップ以上に発熱にシビアです。長時間プレイしていると熱暴走を起こしやすいので気をつけましょう。

製造メーカーによる違い

GeForceはnVIDIAが、RADEONはATIが開発していますが、それを元に使える状態に製造して販売するメーカーが別に存在します。初期に発売されるリファレンスモデルはどのメーカーであってもほとんど同じ作りです。冷却性能や静音など改良されたモデルは遅れて登場します。

同じ機能で同じ性能のビデオカードでもメーカーにより価格が異なります。異なる価格の理由は製造コストの影響が強く表れています。高品質で高価な部品を使用していれば販売価格も高くなってしまいます。メーカーによっては、性能の低い部品を使って標準よりも性能低い低価格版として安く製造販売するところもあります。

ビデオカードにもアルミ電解コンデンサが多く使用されていますが、これは温度が10度上がると寿命は半分になると言われています。寿命を迎えるとコンデンサが膨らんで中の液が漏れて故障します。故障していなくても、交換したときに液が先端ににじみでていることに気がつくことがあります。

ちょっと分かりにくいですが、一番上のコンデンサーの先端が膨らんで液がにじみ出ています。こうなったら寿命だと思って取り替えるのが無難です。完全に故障すると電気的な異常で他のパーツも道連れになることもあります。写真はRADEON9200です。

品質重視にはBUFFALO(バッファロー)やCanopus(カノープス)やELSA Japan(エルザ)がおすすめです。価格を考えるとGeForceなら信頼と価格のバランスの良いLeadtekが人気ですね。

相性が気になるのならマザーボードと同一メーカーのビデオカードが選ばれますが、同一メーカーでも相性が発生することがあります。

相性とは正常品であってもパーツの組み合わせで正しく動作しなくなるという不具合です。品質の高いものほど相性は起こりにくくなります。不良品ではなく正常品のため同じ組み合わせなら交換しても同じ不具合が発生します。基本的に、相性による不具合は保証対象外となり返品や交換は行ってもらえません。相性が気になるのなら、相性保証や交換保証のあるお店で購入しましょう。

不具合は、起動しないなど分かりやすいものだけでなく、特定の動作でのみ異常が起きるというとっても分かりにくいものもあります。ビデオカードの問題ではなく電源の電圧が不安定で動作に支障が起きることもあります。

グラフィックボードの取付と温度管理

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