グラフィックカードRadeonシリーズのHD6000シリーズをまとめています。
Direct X11のテッセレータを強化して、消費電力は低下させています。
そのため、同じランクの製品であればDirect X11の性能は向上してX10/X9の性能はHD5000シリーズよりも少し低下しています。
動画再生を支援するUVDがUVD3になり機能向上しました。Blu-ray 3DとMPEG-4のDivX/Xvidのデコードに対応しました。対応したアプリケーションでは、CPUの処理をほとんど必要とせずに再生することができます。また、UVD2では対応していないMPEG-2のプロファイルにも対応しました。
Open Stereo 3Dを基にした3D立体視のAMD HD3Dに対応しました。1社がすべてを担うGeForceの3D Visionと異なり、幅広いメーカーから3D立体視対応の製品が登場することが期待されます。
★★★☆☆ デュアルGPU搭載で最高性能のビデオカード
シングルビデオカードの中で最高の性能を誇ります。Direct X11のFPSゲームを高解像度・高画質で快適にプレイしたい方に。
Radeon HD6970の動作クロックを下げて、1枚に2つを繋げた内部CrossFire構成です。CrossFireに対応していないアプリケーションでは、HD6970に劣ります。HD6970を2枚接続するよりも大幅に消費電力が少なく済みます。2枚接続する場合は、CrossFire-Xに対応したシステムが必要です。
最大消費電力は375W。PCI-E補助電源は8ピンが2つ接続が必要です。アイドル時の消費電量は37Wで過去の2GPU搭載Radeon HD5970の42Wよりも低下しています。
Radeon HD6990 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
1536/96 + 1536/96 | 830~880MHz | 5.0GHz相当 | 256bit + 256bit | 375W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★☆☆☆ シングルGPUで高性能(でしたが、現在はHD7970に譲る)
予算重視で安くなったHD6970を選ぶか、性能と電力効率の高いHD7950を選ぶか。
Direct X9の性能がGeForce GTX570よりも高くX10/X11では同等以下。消費電力と価格がHD6950よりも大幅に高いのでバランスを考えるとHD6950がおすすめです。高画質ゲームで少しでもフレームレートを高めたい人にはHD6970が向いています。
HD6970とHD6950の価格差が小さくなったので、HD6950よりもおすすめです。
HD6970では標準搭載のVRAMが2GBとなり、マルチモニター環境でもVRAM不足による性能低下を起こしません。
最大消費電力は250Wで補助電源としてPCI-E8ピンと6ピンが必要。アイドル時の消費電力は下位モデルとほとんど変わらない20Wと優秀です。
Radeon HD6970 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
1536/96 | 880MHz | 5.5GHz相当 | 256bit | 250W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★☆☆☆ Windows7で高画質ゲームを存分に楽しみたい人に
Radeon HD5870より全体の性能が少し向上しています。電力バランスを重視するとHD6950、性能を重視するとHD6970がおすすめです。HD6950でも標準搭載のVRAMが2GBとなり、マルチモニター環境でもVRAM不足による性能低下を起こしません。
最大消費電力は200Wで補助電源としてPCI-E6ピンが2つ必要。VRAMが2倍の容量に増えているため、 実は2GB搭載のHD5870よりも消費電力が下がっています。アイドル時の消費電力は下位モデルとほとんど変わらない20Wと優秀です。
Radeon HD6950 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
1408/88 | 800MHz | 5.0GHz相当 | 256bit | 200W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★☆☆☆ バランスが良いが微妙な位置
Direct X11の性能がHD5870よりも高く、X10/X9の性能がHD5870よりも低いモデルです。それでもHD5850よりも性能が高いためほとんど問題にはなりません。
HD6950の登場で魅力は大きく下がりましたが、大きさはRadeon HD5850程度になり、PCケースでの干渉の心配が少なくなりました。消費電力が大幅に低いのがポイントです。
消費電力が低いHD6850と全体の性能がHD5870よりも高くなったHD6950に挟まれて目的で選ぶには難しい位置です。予算次第で、HD6950が辛い場合にはHD6870で妥協といったところ。
最大消費電力は151Wで補助電源としてPCI-E6ピンが2つ必要。HD5870よりも37W低くなっています。アイドル時の消費電力も19Wで、GeForceよりも優秀な電力効率が更に高まっています。
Radeon HD6870 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
1120/56 | 900MHz | 4.2GHz相当 | 256bit | 151W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★★★★ 電力と価格や大きさを重視する人に
Direct X11の性能が向上したとはいえHD5870よりも低い性能。HD6850もHD5850よりDirect X11性能が向上してX10/X9は低下しています。ベンチマークにより影響が大きく現れる場合がありますが、実際のゲームプレイでは違いはほとんど分からない範囲です。HD6790やHD5770よりも大幅に高い性能になっています。
大きさがRadeon HD5770程度になったことで、PCケースに取り付けしやすくなりました。
GeForce GTX460よりも、Direct X11の性能は低くX10/X9の性能は高い。消費電力は低い。
最大消費電力は127Wで補助電源としてPCI-E6ピンが1つ必要。HD5850よりも24W低くなっています。アイドル時の消費電力はHD6870と同じで19Wに低下しています。
Radeon HD6850 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
960/48 | 775MHz | 4.0GHz相当 | 256bit | 127W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★☆☆☆ 電源周りが不思議な設計
Direct X10/X9で高画質を謳わないオンラインゲーム向き。Direct X11のゲームでは低い解像度でないと性能不足。価格差が問題なければHD6850をおすすめします。
Radeon HD5770よりもビデオメモリ周りの性能が大幅に向上しているため、キャラクター表示数が多いオンラインゲームに向いています。基本性能はRadeon HD5770やGeForce GTX550Tiに近い。
最大消費電力は150W。PCI-E補助電源は6ピンが2つ接続が必要。実動作の最大消費電力はRadeon HD6850(最大127WでPCI-E 6ピンが1本)よりも低いため謎な仕様です。
Radeon HD5770に近い価格で、電源コネクタを2本接続することが問題なければ買い。
Radeon HD6790 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
800/40 | 840MHz | 4.2GHz相当 | 256bit | 150W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★★★★ Radeon HD5770のリネーム
Radeon HD5770のリネームのため動画支援機能はUVD3ではなくUVD2搭載です。手に入りにくくなったHD5770の代わりに。フルHD以上の高解像度ゲームにはHD6850をおすすめしますが、Direct X10/X9のゲームで低解像度のワイドであれば画質を重視しても快適に楽しめる場合が多い。
基本はHD5770と同じですが、HDMIが1.4a対応になっています。基本設計をHD5770そのままを採用したのは、HD6000シリーズの設計にするとDirect X9/X10/X11のバランスが変わってしまい、HD5770の良さを壊してしまうからなのかもしれません。
最大消費電力は108Wでアイドル時の消費電力は18W。補助電源としてPCI-E6ピンが1つ必要。
Radeon HD6770 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
800/40 | 850MHz | 4.8GHz相当 | 128bit | 108W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★★☆☆ Radeon HD5750のリネーム
Radeon HD5770のリネームのため動画支援機能はUVD3ではなくUVD2搭載です。手に入りにくくなったHD5750の代わりに。HD6770/HD5770よりも性能の低下が大きいですが、多くのゲームが楽しめる性能です。
基本はHD5750と同じですが、HDMIが1.4a対応になっています。基本設計をHD5750そのままを採用したのは、HD6000シリーズの設計にするとDirect X9/X10/X11のバランスが変わってしまい、HD5750の良さを壊してしまうからなのかもしれません。
最大消費電力は86Wでアイドル時の消費電力は16W。補助電源としてPCI-E6ピンが1つ必要。
Radeon HD6750 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
720/36 | 700MHz | 4.6GHz相当 | 128bit | 86W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★★★☆ ロープロファイル対応では高性能
HD6850の半分以下の性能で、HD5750よりも低くHD5670よりは高い。
補助電源不要でLowprofile対応のため、省スペースPC用としては3Dゲームもそこそこ楽しめる高性能。UVD3対応でCPUが非力でもハイビジョン動画が高画質で楽しめます。
LowProfileではなく標準サイズの製品もあります。LowProfileではファンの大きさが小さく高回転になり騒音が大きくなるため、ロープロファイル専用の省スペースPC以外では標準サイズをおすすめします。
最大消費電力は66W。PCI-E補助電源の接続は不要。アイドル時の消費電力は12W。
Radeon HD6670 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
480/24 | 800MHz | 4.0GHz相当 | 128bit | 66W |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
★★★☆☆ UVD3による動画再生向き
IntelのCPUやチップセットに搭載されるグラフィック機能と性能では満足できない人向き。 消費電力がとても少なく、UVD3対応で動画再生を強化することができます。性能としてはHD4550/HD5450から大きく向上し低解像度の3Dゲームがなんとか動作するほどになり、動画等の映像機能も大きく進化しています。
ビデオメモリに高性能なDDR5搭載(最大27W)と消費電力の少ないDDR3搭載(最大18W)があります。アイドル時の消費電力は9W。動画再生用としてはDDR5を選ぶ意味はほとんどありません。
Radeon HD6450 | ||||
コア数(SP/テクスチャ) | コア・クロック | メモリ・クロック | メモリ・バス幅 | 電力 |
160/8 | 625~750MHz | 3.2~3.6GHz相当(GDDR5) 1.006~1.6GHz相当(DDR3) |
64bit | 27W(GDDR5) 18W(DDR3) |
※ 設計の世代が変わると、数値が低いのに性能は高くなることやその逆になる場合があります。 |
発売されたばかりの新世代よりも旧世代の上のランクで高性能が安く購入できることがあります。また、安定性重視でも、新世代の初期のドライバは不具合が多く生じやすいので安定している旧世代は狙い目です。
ビデオメモリのDDR3とGDDR5は同じ実クロックで2倍の性能差があります。○○相当という表記は性能差を考慮した統一した表記になっています。リファレンスではGDDR5搭載なのにDDR3を搭載して販売される製品も存在します。その場合はビデオメモリの性能が半分になってるとお考えください。
製品のOCモデルはリファレンスよりもクロックを高く設定した製品です。基本的にランクを超えるほどの性能向上にはなりません。消費電力と発熱の上昇、ファンの騒音増加を考慮して選びましょう。設計が良ければ、ファンの騒音が標準モデルよりも小さな製品もあります。