最近のGeForceシリーズでは設計が変わらずに名称を変えることで新しいモデルの一覧に追加されることがあります。また、シリーズ名は同じで仕様が異なるモデルが混在しているため、購入には事前の確認が必要です。
確認を怠ると、予定したものよりも性能が低いものや、機能が異なるモデルを購入してしまう可能性がありますのでご注意ください。
基本設計はそのままに名前だけが変わるリネームモデルが増えています。プロセスルールの微細化に伴い同じ名称の同じ性能で消費電力が下がっている(クロック性能も下げている)ものもあります。また、同じ名称で仕様が大きく異なるモデル(製品パッケージ名はそれぞれ異なる)も販売されています。
GeForce GT630 → GT730 (Kepler)。
GeForce GT440 → GT630 → GT730 (Fermi)。
GeForce 8400GS→ 9300GS。
GeForce 8500GT→ 9400GS。
GeForce 8800GS→ 9600GSO。
GeForce 8800GT→ 9800GT。
GeForce 9800GTX+→ GTS250。
GeForce GT240→ GT340。
GeForce GT630(Fermi) → GT630(Kepler) 。
FermiではCUDAコア数が96基しかありませんが、ビデオメモリが128bitのGDDR5搭載モデルがあります。
KeplerではCUDAコア数が384基と大幅に増えましたが、ビデオメモリが64bitのDDR3となり性能が低下しています。
コア数を重視しているのかビデオメモリを重視しているのかの違いであって、性能はどちらが上とは言えないややこしいモデルです。どちらもGT640よりも低い性能です。
GeForce 9800GT(PCI-E6pin x1)→9800GT(補助電源不要、代わりに性能低下)→GT330(同じ~性能低下)
GeForce 9600GT(PCI-E6pin x1)→9600GT GreenEdition(補助電源不要、代わりに性能低下) 。
これらはほぼ同じものを新しいランクに位置づけし直されたものです。また、名称が変わらずにプロセスルールが変わり設計が見直されたモデルもあります。
現在の9800GTX+はGTS250と同じ55nmです。ただし、9800GTX+は元の設計のまま55nmに移行されているので消費電力が低下しても補助電源コネクタは2つのままですが、GTS250では補助電源コネクタが1つに減って長さも短くなっています。売れ残りの多いお店では、消費電力が高い65nmの在庫が今でも販売されているかもしれません。
GeForce GTX275はGTX285と同等の性能だが消費電力は増大しています。※品質の悪いGPUの電圧を高くして使われています。
GeForce GTX470/465はGTX480として動作できない不良チップを無効にすることで低い性能のモデルとしてパッケージングされています。
GeForceでは同じ名称のモデル(9800GT/9600GTなど)でも、クロック性能(500MHz./600MHzなど)、シェーダー数(96個/72個など)、メモリバンド幅(256bit/128bitなど)、搭載されるビデオメモリの種類(GDDR3/DDR3/DDR2など)、が異なることで性能の違いが大きくなっています。性能が低くても新しく発売される製品は価格が高いこともあり、モデル名でも価格でも性能の違いは判断できません。少しでも高く売るための販売戦略の一環です。
同じシリーズ名のままに、製造プロセスルール(半導体集積密度、回路の幅)の世代が変わることがよくあります。
プロセスルールが微細化すると集積回路を小さくすることができるため消費電力が低下しますが、形状が小さくなることでメモリ帯域が細くなり性能が低下する場合があります。
メモリ帯域(128bitや256bitなど)が表記されていない製品には注意してください。こっそり性能が低いモデルが混ぜられることがあります。シリーズ名は同じでも、別の製品であるため製品の型番は変わります。
上記とは別に、カードの生産メーカーが質の高いチップを厳選して動作クロックを高く設定したオーバークロックモデルや、反対に標準クロックでは動作が厳しいチップで動作クロックを低くして価格を安くしたモデルや、VRAM容量の増加や減少などがあります。
その場合でもGPU(半導体)はnVIDIAの設計に準じます。
GeForce GTX480/GTX470/GTX465
GeForce GT340/GT320
GeForce GT240/220
GeForce 210/310
GeForce GT330
GeForce GTX295/GTX285/GTX280/GTX275/GTX260
GeForce GTS250
GeForce 9000シリーズ
ノートPC用のGeForce GTX280M/GTX260M/GTS160Mはデスクトップ用のGTX280(設計がGT200系)とは異なり、GeFore 9000シリーズの設計(G92系)のためDirect X10までの対応です。
GT240MはGT240と同じGT210系の設計のため、Direct X10.1対応とCUDAに強くなっています。
ラインアップがシンプルで、電力効率の高いRadeon HD5000シリーズをおすすめします。
ハイエンドからローエンドまでDirect X11対応で揃っていますので、予算と性能と消費電力で選ぶことができます。
RadeonはCUDA、PhysX、3D Visionには対応していませんのでご注意ください。CUDAとATI Streamの両対応しているアプリケーションではRadeonでも活用することができます。Windows7-64bitではCUDAよりもATI Streamの方が性能が発揮されることを確認しています。しかし、CUDAのみに対応したアプリケーションが多いですので、目的に応じてお選びください。
CUDA、PhysX、3D Visionが必要な場合は、電力効率が悪いですがGTX260以上とGTX465以上で高い性能を発揮することができます。ただし、GTX470/480はPCI-Expressバスの電力に無理が発生する可能性があるため、電源の他にマザーボードの品質にも注意が必要です。
CUDA、PhysX、3D Visionについてよく分からない場合は、それらの機能は必要でないと考えられますので気にせずにお選びください。
GeForce GTX480はシングルGPUでは最高の性能を誇ります。SLIやCrossFireでは性能が発揮できないゲームでも、高性能を生かすことができます。また、ゲーム以外でCUDA3.0を活用できる場合もとても高い性能を発揮できます。
問題点は発熱と消費電力に注意が必要です。冷却能力の高いPCケースと高品質電源を組み合わせることでその問題は問題ではなくなります。
GeForce GTX460はゲーム機能以外で高い発熱と消費電力を生み出す原因を抑えることで使いやすくなりました。GTX460 1GB版は、GTX465よりも高性能で発熱と消費電力が低下しています。その代わりゲームではほとんど使われないGPGPU機能(CUDAやPhysX)が弱くなっています。
GTX460は1GB版と768MB版で性能が異なることが問題です。通常、VRAM容量が512MB版と1GB版では性能自体は同じなのですが、GTX460の768MBはGTX465相当の性能で、1GB版はそれよりも高い性能になります。そこに注意して選べばどちらも優秀なGeForceだと言えます。
初心者でも分かりやすいラインアップです。
Radeon HD5000シリーズはすべてDirect X11対応であり、性能、消費電力、価格が順番通りになっています。
同じシリーズ名でも製品によりクロック性能が高く設定されるモデルや、オリジナル設計により消費電力が低下しているモデルなどはありますが、シリーズ名そのものがおかしくなることは今のところありません。
Radeon HD5970は2GPU構成です。1つのカード上ですが、HD5850をCrossFire接続したのと同等の性能になります。2GPU構成はCrossFireに対応していないゲーム等では1GPUでの動作になることに注意してください。その場合の性能はHD5850相当となるためGeForce GTX480に劣ります。SAPPHIREからHD5870が二つ分になるHD5970 TOXICも発売されています。