Western DigitalのWD30EZRXは低消費電力のCaviar Greenシリーズで容量3TBのHDDです。
WD30EZRXはSATA3 6Gbpsに対応しています。HDDの性能ではSATA2 3Gbps接続でも変わりません。
WD30EZRSはSATA2 3Gbpsの設計ですが、SATA3に接続しても変わらずに使うことができます。
どちらも2TiBの壁の影響を受けるため、2TiB以上の容量に対応しているGPTで初期化を行う必要があります。GPTで初期化したディスクはGPTに対応していないOSやアプリケーションでは正しくディスクを扱うことができません。また、起動ドライブとして使用するには、マザーボード等の対応(EFI BIOS)も必要です。
MBRでは2TiBまでしか対応できないため、それを超える容量のディスクではGPTで初期化する必要があります。
Windows7では、コントロールパネル→管理ツール→コンピューターの管理→ディスクの管理で初期化とフォーマットを行います。
目的のディスクを右クリックしてフォーマットします。通常フォーマットではとても長い時間必要になるので、一般にはすぐに終わる「クイックフォーマット」で問題ありません。
Windows XPではGPTディスクに対応していません。
マザーボードやHDDメーカー限定でWindows XPでも2TiB超のディスクを扱うためのツールが公開されていますが、すべての条件で正常に使えるようになるとは限りません。
IntelチップセットのICH9Rに於いて、古いドライバでは正常に扱えないことを確認しました。SATAポートのドライバは必ず最新に更新してからお使いください。
Intel Rapid Storage Technology Driverの10.1.0.1008以降で2TB越える容量に対応しています。
ドライバを最新に更新する前のIntel ICH9R接続の場合。
OS:Windows7 Professional 64bit SP1
M/B:GIGABYTE GA-X48-DS5
ディスク全体を1パーティションでフォーマットしても、容量が約746GBまでしか認識されていません。
(約2794GBが正常)
※ディスク番号は接続したポートの順番で変わって見えるだけです。他ではディスク5となっていますが同じディスクです。
HDDの情報を表示するソフトHDTuneのInfoを表示するとディスク本来のキャパシティは2861458MBと認識されていますが、実際のキャパシティは746.5GBと食い違いが生じた異常な状態となっています。
ベンチマークを実行すると約746GBの容量までしか使えていません。
ASUSTeK U3S6でフォーマットした後にIntel ICH9Rに接続した場合、コンピューターの管理ではディスク容量が正しく表示(約2794GB)されていますが、実際に使用すると約746GB分までしか使えません。
U3S6はSATA3.0とUSB3.0を2基ずつ増設するPCI-Express x4接続の拡張カード。マザーボードに標準搭載されたポート数では足りない場合にポートを追加することができます。
Intel チップセット以外のSATAポートでフォーマットして、Intel チップセットのSATAポートに接続を変更した場合、容量が正しく見えても実際には正しく扱えていない場合があります。
接続を変える前にIntel AHCIドライバを最新に更新しないとデータが壊れる恐れがあるので注意が必要です。
・インテル ドライバーおよびソフトウェア
「ラピッド・ストレージ・テクノロジー」でダウンロードの検索。
「インテル ラピッド・ストレージ・テクノロジー(Rapid Storage Technology)」の「最新」を選択。
「iata_cd.exe」(マルチランゲージ)をダウンロードしてインストール。
旧タイプの「マトリクス・ストレージ・マネージャー 」から新しい「ラピッド・ストレージ・テクノロジー」に変わりましたのでご注意ください。
Windowsの再インストール時に必要であるなら、「F6 インストール用」もダウンロードして、フロッピー等を使いインストール時のディスクを認識させるときに読み込ませます。
インテル以外のメーカーで、ドライバが2TBを越える容量に対応していない場合は、そのメーカーのサポートのダウンロード等よりご確認ください。
フォーマット後に容量が正しく使えるか心配な場合は、FreeのHD Tuneでディスクの情報Infoでの容量の確認と、読み込みの性能を測定するBenchmarkを実行して、全容量が読み込み可能か確認しましょう。
有料のPro版では書き込み等のベンチマークも実行することができます。
ディスク全体での読み込み性能の変化です。
HDDは円盤でディスク上の容量が大きくなるほど内周に移動するため遅くなります。
Access timeは離れた記録位置に移動する時にかかる時間です。
コピーなどで単純なファイルの読み書き性能です。
6Gbps (ASUSTeK U3S6) WD30EZRX
3Gbps (Intel ICH9R) WD30EZRX
先頭から2TB後 6Gbps (ASUSTeK U3S6) WD30EZRX
先頭から2TB後 3Gbps (Intel ICH9R) WD30EZRX
Windows Vistaでの実用を想定した性能です。
6Gbps | 3Gbps | |
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HDD Test Suite 総合スコア | 4227 | 5214 |
Windows Defender ウイルススキャンの動作 | 23.3 | 24.48 |
gaming ゲーム | 14.6 | 14.57 |
importing pictures to Windows Photo Galler 画像 | 55.33 | 53.44 |
Windows Vista Startup Vistaの起動プロセス | 15.8 | 17.84 |
video editing using Windows Movie Maker 動画編集 | 34.57 | 48.37 |
Windows Media Center 動画再生 | 78.36 | 154.94 |
adding music to Windows Media Player 音楽再生 | 6.42 | 9.29 |
application loding アプリケーションの起動 | 4.38 | 5.12 |
総合スコア以外はMB/sです。ゲームや起動プロセスはシステムディスクとして使う場合の性能です。その他は、データの保管用に使う場合の性能です。
拡張カードのASUSteK U3S6接続では6Gbpsでも実際の使用ではマザーボード標準のIntel ICH9R接続よりも性能が低く出ています。そのため、6Gbps対応でもわざわざ拡張カードに接続する意味は全くありません。
一部、ディスクの性能よりも高い数値が出ているのはキャッシュの影響によるものと思われます。