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更新:2011/07/13

3TBのHDD WD30EZRXについて

概要

Western DigitalのWD30EZRXは低消費電力のCaviar Greenシリーズで容量3TBのHDDです。

WD30EZRX

WD30EZRXはSATA3 6Gbpsに対応しています。HDDの性能ではSATA2 3Gbps接続でも変わりません。

WD30EZRSはSATA2 3Gbpsの設計ですが、SATA3に接続しても変わらずに使うことができます。

どちらも2TiBの壁の影響を受けるため、2TiB以上の容量に対応しているGPTで初期化を行う必要があります。GPTで初期化したディスクはGPTに対応していないOSやアプリケーションでは正しくディスクを扱うことができません。また、起動ドライブとして使用するには、マザーボード等の対応(EFI BIOS)も必要です。

GPTでの初期化が必要

MBRでは2TiBまでしか対応できないため、それを超える容量のディスクではGPTで初期化する必要があります。

Windows7 GPTで初期化

Windows7では、コントロールパネル→管理ツール→コンピューターの管理→ディスクの管理で初期化とフォーマットを行います。

WD30EZRX フォーマット前

目的のディスクを右クリックしてフォーマットします。通常フォーマットではとても長い時間必要になるので、一般にはすぐに終わる「クイックフォーマット」で問題ありません。

WD30EZRX フォーマット後

Window7とVista でハードディスクのフォーマット
ディスクの初期化、フォーマット、パーティションの作成の詳細

Windows XPでは

Windows XPではGPTディスクに対応していません。

マザーボードやHDDメーカー限定でWindows XPでも2TiB超のディスクを扱うためのツールが公開されていますが、すべての条件で正常に使えるようになるとは限りません。

ギガバイト 3TB+ Unlocker ユーティリティ
GIGABYTE製のサポートされているマザーボードが必要です。
ASUSTeK Disk Unlocker
ASUSTeK製のサポートされているマザーボードが必要です。

容量がおかしい場合

Intel AHCIドライバーの不具合

IntelチップセットのICH9Rに於いて、古いドライバでは正常に扱えないことを確認しました。SATAポートのドライバは必ず最新に更新してからお使いください。

Intel Rapid Storage Technology Driverの10.1.0.1008以降で2TB越える容量に対応しています。

746GBしか認識されない

ドライバを最新に更新する前のIntel ICH9R接続の場合。

OS:Windows7 Professional 64bit SP1
M/B:GIGABYTE GA-X48-DS5

WD30EZRXの容量が約746GBと認識

ディスク全体を1パーティションでフォーマットしても、容量が約746GBまでしか認識されていません。
(約2794GBが正常)
※ディスク番号は接続したポートの順番で変わって見えるだけです。他ではディスク5となっていますが同じディスクです。

3TBに対応していない接続でのディスク情報

HDDの情報を表示するソフトHDTuneのInfoを表示するとディスク本来のキャパシティは2861458MBと認識されていますが、実際のキャパシティは746.5GBと食い違いが生じた異常な状態となっています。

HD Tune

3TBに対応していない場合のHDTune

ベンチマークを実行すると約746GBの容量までしか使えていません。

SATAポートの接続先の変更に注意

ASUSTeK U3S6でフォーマットした後にIntel ICH9Rに接続した場合、コンピューターの管理ではディスク容量が正しく表示(約2794GB)されていますが、実際に使用すると約746GB分までしか使えません。

U3S6
U3S6はSATA3.0とUSB3.0を2基ずつ増設するPCI-Express x4接続の拡張カード。マザーボードに標準搭載されたポート数では足りない場合にポートを追加することができます。

Intel チップセット以外のSATAポートでフォーマットして、Intel チップセットのSATAポートに接続を変更した場合、容量が正しく見えても実際には正しく扱えていない場合があります。

接続を変える前にIntel AHCIドライバを最新に更新しないとデータが壊れる恐れがあるので注意が必要です。

Intel AHCIドライバーを更新する

インテル ドライバーおよびソフトウェア
ラピッド・ストレージ・テクノロジー」でダウンロードの検索
「インテル ラピッド・ストレージ・テクノロジー(Rapid Storage Technology)」の「最新」を選択。
「iata_cd.exe」(マルチランゲージ)をダウンロードしてインストール。

旧タイプの「マトリクス・ストレージ・マネージャー 」から新しい「ラピッド・ストレージ・テクノロジー」に変わりましたのでご注意ください。

Windowsの再インストール時に必要であるなら、「F6 インストール用」もダウンロードして、フロッピー等を使いインストール時のディスクを認識させるときに読み込ませます。

インテル以外のメーカーで、ドライバが2TBを越える容量に対応していない場合は、そのメーカーのサポートのダウンロード等よりご確認ください。

容量が正しく使えるかを確認する

フォーマット後に容量が正しく使えるか心配な場合は、FreeのHD Tuneでディスクの情報Infoでの容量の確認と、読み込みの性能を測定するBenchmarkを実行して、全容量が読み込み可能か確認しましょう。

HDTune Info 3TB

HD Tune

有料のPro版では書き込み等のベンチマークも実行することができます。

WD30EZRXの性能

システム

HD Tune

ディスク全体での読み込み性能の変化です。
HDDは円盤でディスク上の容量が大きくなるほど内周に移動するため遅くなります。
Access timeは離れた記録位置に移動する時にかかる時間です。

HD Tune

6Gbps (ASUSTeK U3S6) WD30EZRX
HDTune WD30EZRX 6G

3Gbps (Intel ICH9R) WD30EZRX
HDTune WD30EZRX 3G

Crystal Disk Mark x64

コピーなどで単純なファイルの読み書き性能です。

CrystaDiskMark

6Gbps (ASUSTeK U3S6) WD30EZRX
CrystalDiskMark WD30EZRX 6G

3Gbps (Intel ICH9R) WD30EZRX
CrystalDiskMark WD30EZRX 3G

先頭から2TB後 6Gbps (ASUSTeK U3S6) WD30EZRX
2TB CrystalDiskMark WD30EZRX 6G

先頭から2TB後 3Gbps (Intel ICH9R) WD30EZRX
2TB CrystalDiskMark WD30EZRX 3G

PCMARK VANTAGE x64

Windows Vistaでの実用を想定した性能です。

UL Benchmarks

  6Gbps 3Gbps
HDD Test Suite 総合スコア 4227 5214
Windows Defender ウイルススキャンの動作 23.3 24.48
gaming ゲーム 14.6 14.57
importing pictures to Windows Photo Galler 画像 55.33 53.44
Windows Vista Startup Vistaの起動プロセス 15.8 17.84
video editing using Windows Movie Maker 動画編集 34.57 48.37
Windows Media Center 動画再生 78.36 154.94
adding music to Windows Media Player 音楽再生 6.42 9.29
application loding アプリケーションの起動 4.38 5.12

総合スコア以外はMB/sです。ゲームや起動プロセスはシステムディスクとして使う場合の性能です。その他は、データの保管用に使う場合の性能です。

拡張カードのASUSteK U3S6接続では6Gbpsでも実際の使用ではマザーボード標準のIntel ICH9R接続よりも性能が低く出ています。そのため、6Gbps対応でもわざわざ拡張カードに接続する意味は全くありません。

一部、ディスクの性能よりも高い数値が出ているのはキャッシュの影響によるものと思われます。

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