『ST3000DM001』はSeagate(シーゲート)の標準HDD Barracuda7200.14シリーズの3TBモデルです。形状は3.5インチです。高速な7200回転ですので、OSやアプリケーションのインストール用にも使うことができます。
HDDでは6Gbps(SATA3)モデルを3Gbps(SATA2)接続しても性能は変わりません。HDDでは未だ最大転送速度が3Gbpsの上限には達していません。
マザーボード:ASUSTeK SABERTOOTH Z77 ICH10R AHCI 6Gbp対応で測定しても性能の違いは誤差の範囲でした。
ST3000DM001-9YN166はファームウェアの更新対象モデルであったため、ファームウェアをCC4Hに更新しています。更新前とは目立つ違いがありませんでした。
ST3000DM001-9YN166は2012年6月に購入(12,470円)、ST3000DM001-1CH166は2012年8月に購入(11,350円)しています。
HDDでは形状が円盤で容量の先頭が外周であるため、ディスク容量の後ろに行く(内周)ほど遅くなります。
ST3000DM001-9YN166は1TBプラッタを巧く制御できていないようで波が大きく表れています。しかし、実用性能としては気にする必要がありません。
IOPSは1秒間の応答回数で、数値が大きいほど応答が早い。
access timeは目的のデータ位置まで移動する時間で、数値が小さいほど早い。
speedは1秒間に読み込めるデータ量で、数値が大きいほど速い。
機械駆動であるため、記録位置に移動するのに時間が掛かります。
ファームウェアのアップデート前はランダム(水色)アクセスが遅く、アップデート後は512バイト(黄色)が遅くなっています。
書き込みも同じ傾向です。
書き込みの応答は読み込みよりも早いことがあります。
ST3000DM001-1CH166はST3000DM001-9YN166と違って一般的な曲線的な制御ができています。
ランダム読み込みも平均的なバランスになっています。
書き込みも同じ傾向です。
書き込みは読み込みよりもバラツキが大きいですが、書込速度としては読込よりも速い場合があります。
・ATTO Disk Benchmark | TechPowerUp
ATTO Disk Benchmarkでは常に0Fillデータが使われています。
SSDと違いHDDでは読み込みと書き込みの差が小さいです。
ATTOの結果では1CH166が高速化しています。
・Futurmark PCMARK7 | 4Gamer.net PCMark7
Windows7で実際に使うことを想定したベンチマークです。単純なファイルの読み書きやディスクへのアクセスとは異なった性能の違いが表れやすいです。
総合スコア以外は想定した動作でのデータの転送速度(MB/s)です。
HDDやSSDの実用性能を比較
9YN166 | 1CH166 | WD1002FAEX | WD30EZRX | SSD M4 | |
Strage Score HDD/SSD の総合スコア |
2217 | 2231 | 2259 | 1891 | 4942 |
Windows Defender ウイルススキャンの動作 |
2.08 | 2.00 | 2.20 | 1.84 | 5.33 |
importing pictures 画像の取り込み |
9.20 | 9.17 | 8.92 | 6.71 | 25.87 |
video editing 動画編集 |
18.27 | 18.98 | 19.72 | 18.55 | 21.64 |
Windows Meidia Center メディアセンターでのテレビ番組録画 |
7.50 | 7.89 | 7.66 | 7.52 | 8.14 |
adding music 音楽の取り込み |
1.25 | 1.27 | 1.29 | 1.25 | 1.40 |
starting applications アプリケーションの起動 |
4.25 | 4.27 | 4.03 | 2.62 | 44.12 |
gaming ゲーム |
6.19 | 6.09 | 6.40 | 5.02 | 15.77 |
PCmark7はPCmark Vantageよりも実用に近いベンチマークになっています。
WD1002FAEXはWestern Digitalの高速モデルWD Blackの1TB。
WD30EZRXはWestern Digitalの省電力モデルのWD Greenの3TB。
SSD M4はCruicialのM4 256GB。SSDも3Gbps接続です。6Gbpsではもっと高い性能を発揮します。
アプリケーションやゲームのインストールにはSSDが比較にならないほど高速です。読込や書込が頻繁に発生するものほど差が大きくなります。
省電力モデルとの差も大きいため、インストール等は省電力ではないHDDを使うことをおすすめします。
消費電力測定にはHDDアダプタと消費電力測定器の電力が上乗せされています。
Watts up Pro? 電力1.6W(お立ち台の電源OFF)
裸族のお立ち台eSATAプラス 電力2.9W(何も挿さずに電源ON)
HDDやSSDの消費電力を比較
9YN166 | WD1002FAEX | WD30EZRX | SSD M4 | |
起動時 | 25.8W | 28.5W | 14.0W | 3.7W |
アイドル時 | 8.9W | 9.9W | 7.2W | 3.7W |
HD Tune Sequential Read | 12.6W | 12.1W | 12.1W | 3.9W |
HD TUne Random Read | 15.9W | 13.2W | 12.6W | 3.9W |
WD1002FAEXは1TBモデルであるためプラッタ枚数が少なくその分消費電力が低くなっています。最大2TBまでで3TBモデルは未だ発売されていません。
Barracuda 7200.14は高性能なWD Blackとの性能差が小さくバランスの良い性能になっています。ランダムアクセスの消費電力が高いですが、9YN166はランダムアクセスにバラツキが多い(消費電力の測定結果もその都度変わってしまう)ためで、1CH166では改善しているのではないでしょうか。
あまりアクセスしない倉庫用ドライブにはWD30EZRXが適しています。