Plextor M5 Proは2.5型で容量が128GB(実質119GB)の厚みが7mmの薄型SSDです。東芝製の19nm MLCとMarvell 88SS9187の制御コントローラーを採用した高信頼で高速なSSDになっています。
キャッシュにDDR3を256MB搭載しており、複数のファイルを同時に扱うランダム読み書き性能も高いのが特徴です。
3.5インチ変換ブラケット付属。SSDの裏面から止めて、横から3.5インチベイにネジ止めするタイプです。
裏面から3.5インチベイにネジ止めするタイプには使えません。
付属のCD-ROMは『Acronis True Image 2010 OEM HD Software Disk(Bootable)』です。アクティベーション番号の取得(キーの取得)にユーザー登録が必要になっています。Acronisアカウントを取得済みの場合はそちらの登録してるメールアドレスとパスワードを入力します。製品登録済みの場合はAcronisのマイ・アカウントからアクティベーションコードの再確認が行えます。
Acronis True Image 2010 OEM HD Softwareでは『ディスクのクローン作成』と『ドライブの完全消去』が行えます。
・Acronis 公式サイトはこちら
Plextor M5 Proは薄型ですがコネクタ位置は同じであるため、厚みにスペースが生まれる以外には同じように接続して使うことができます。
容量 | 最大読込速度 | ランダム4KB読込 | 最大書込速度 | ランダム4KB書込 |
---|---|---|---|---|
128GB | 540 MB/s | 91,000 IOPS | 340 MB/s | 82,000 IOPS |
256GB | 540 MB/s | 94,000 IOPS | 450 MB/s | 86,000 IOPS |
512GB | 540 MB/s | 94,000 IOPS | 450 MB/s | 86,000 IOPS |
※数値はメーカー公称値です。算出方法により実性能とは異なる場合があります。 |
容量が大きいほど書き込み性能が高くなっています。
M5シリーズの型番はPX-xxxM5S、M5 ProシリーズはPX-xxxM5Pで販売されています。
M5Sシリーズのフラッシュメモリは25nmのMicron製MLCを搭載。制御コントローラはMarvell 88SS9174を搭載しています。厚みは9.5mmです。
M5Pシリーズの19nmの東芝製MLC搭載しています。制御コントローラはMarvell 88SS9187を搭載しています。厚みは7mmです。
性能の違いもありますが、信頼性の違いが大きいです。メインのPCでアクセスが多いのならばM5Pがおすすめ。サブPCやアクセスが多発しない使い方には少し安いM5Sでも十分です。
そのPCでの全体的な指標です。同じパーツを使用しても、別のパーツの影響によりスコアが変わります。そのため、絶対的な性能の指標にはなりません。
スコア差が大きい場合、性能が生かし切れないボトルネックがどこになるのかを判断する目安になります。それぞれのスコアが近いほど性能のバランスがよい。
Windowsの起動時間を測定します。Time to Desktop(デスクトップが起動するまでの時間)の時間で比較します。
ビジネスライセンス版はVer1.0の初期バージョンのみのようで、測定結果がFree版と大きく異なりました。ここではFree版のVer4.0を用いています。
使用中のCrucial M4 256GBのクローンで同じ環境で測定しました。
どちらもランダム読込性能が十分高速なので起動時間は同じになりました。
単純なファイルの読み書き性能です。データファイルを開いたり保存するときの性能に近いベンチマークです。
4KQD32はAHCIのNCQ機能を使ったランダム読み書きの性能です。NCQでは細かいアクセスを効率の良い(連続読み書きに近い)順番に並び替えてから処理を行います。複数のファイルでもなるべく連続した読み書きでの動作になることで性能がシーケンシャル(連続)に近くなります。NCQが機能しない環境では通常の4Kと同じになります。NCQはSATAがIDE互換モードでは機能しませんので設定に注意。
ディスク全体の読込速度です。
ディスク全体でのランダム読込の速度です。
ディスク全体でのランダム書込の速度です。
ディスク全体での連続書き込みの速度です。
ベンチマークを繰り返しているので、書き込み速度は変動が発生してしまいました。SSDではディスク先頭も後方も性能差はありませんが、MLCタイプのSSDでは書き込みを繰り返すことで性能が低下していきます。
・ATTO Disk Benchmark | TechPowerUp
ATTO Disk Benchmarkでは常に0Fillデータが使われています。
・Futurmark PCMARK7 | 4Gamer.net PCMark7
Windows7で実際に使うことを想定したベンチマークです。単純なファイルの読み書きやディスクへのアクセスとは異なった性能の違いが表れやすいです。
総合スコア以外は想定した動作でのデータの転送速度(MB/s)です。
PX-128M5P | HDD | |
Strage Score HDD/SSD の総合スコア |
5318 | 2259 |
Windows Defender ウイルススキャンの動作 |
5.48 | 2.20 |
importing pictures 画像の取り込み |
28.17 | 8.92 |
video editing 動画編集 |
22.70 | 19.72 |
Windows Meidia Center メディアセンターでのテレビ番組録画 |
8.10 | 7.66 |
adding music 音楽の取り込み |
1.40 | 1.29 |
starting applications アプリケーションの起動 |
60.17 | 4.03 |
gaming ゲーム |
16.58 | 6.40 |
HDDはWestern Digitalの高性能なCaviar BLACK シリーズ WD1002FAEXを比較に載せています。
音楽や動画といったデータ倉庫としてはHDDで十分ですが、一度に多くのファイルを扱う、アプリケーションやゲーム、画像の取り込みでは高速なSSDを使うととても快適になります。
MLCタイプのSSDでは、一度書き込んだブロックは消去しないと次の書き込みが行えません。書き込みによる性能低下や回復は制御コントローラのアルゴリズムにより異なります。
書き込みを繰り返しても性能低下は見られず。
Cruicial C300の場合は変化が分かりやすく現れていました。
HDTuneのディスク全体への書き込みはパーティションを解除した状態でないと行えませんので、この後、フォーマットしたファイルシステムでの測定のためにクイックフォーマットをしています。
ディスク全体の読込が不安定になりました。しかし、通常はこのようなアクセスは行いません。
ファイル単位での読み書き性能は、ランダムアクセスが遅くなっていますがNCQで吸収されてしまうほど軽微な変化です。
書き込んだ直後の変化を見るためにクイックフォーマットを行いましたが、次は、今記録されているデータは不要なものとマークするために通常フォーマットを行います。これにより、コントローラが独自にブロック(データを書き込む場所)を整理することができます。
通常フォーマット直後に、ディスク全体の読込が安定しました。
ランダム読込性能は、1MBのファイルで平均2.0ms(ミリ秒)だったのが3.0msに遅くなっています。
書き込み前 | 書き込み後 | |
Strage Score HDD/SSD の総合スコア |
5318 | 5315 |
Windows Defender ウイルススキャンの動作 |
5.48 | 5.47 |
importing pictures 画像の取り込み |
28.17 | 27.98 |
video editing 動画編集 |
22.70 | 22.68 |
Windows Meidia Center メディアセンターでのテレビ番組録画 |
8.10 | 8.10 |
adding music 音楽の取り込み |
1.40 | 1.40 |
starting applications アプリケーションの起動 |
60.17 | 60.35 |
gaming ゲーム |
16.58 | 16.60 |
PCMARK7での実用性能は、書き込み前と書き込み後(通常フォーマット後)では誤差の範囲でした。
Plextor M5 Proシリーズでは、書き込み後の性能低下はほとんど気にすることなく使うことができます。
使用後にディスクをフォーマットするときはクイックフォーマットではなく通常フォーマットを使いましょう。未使用のSSDを最初に使える状態にするときはクイックフォーマットでも構いません。