MSI GeForce RTX 3070 GAMING X TRIOの性能
概要
GeForce RTX3070/GTX1070/GTX1060-3Gをベンチマークで性能比較。
GeForce RTX3070ではWQHD(2560x1440)での高画質、4K(3840x2160)の標準画質のゲームで快適な描写ができます。
MSI GeForce RTX 3070 GAMING X TRIO について
形状
MSI GeForce RTX 3070 GAMING X TRIOは3連ファンの大型GPUクーラーを搭載してます。厚みが3ソケット分のスペースを使うことに注意が必要です。重さを支えるためのプレートが付属しています。
PCI-E 補助電源コネクタは8pin+8pinとなっています。OCモデルでリファレンスの220Wから240Wに消費電力が20W上がっていますが電力設計には余裕があります。
補助電源コネクタは外に出っ張らない配置になっています。ケーブルは出っ張ってしまいますが、ケースの幅がギリギリでも接続ができる設計です。
ケーブルの出っ張りが気になる場合は、Amazonで販売されているU字型(C字型)のPCI-E電源変換アダプタを使うと出っ張りがなくなります。変換アダプタには上向き用と下向き用があるのでご注意ください。ピンの向きが異なるので反対には挿せません。引っかける爪が背面にある場合は上向き(上ラッチ)になります。8pinが2つの場合は2個必要です。
カードの側面が標準で虹色に光り結構目立ちます。MSIのDragon CenterのMystic Lightで光り方を変更することができます。MSIのソフトウェアのダウンロードはこちら
RTX30と20シリーズのスペックの比較
GeForce RTX3070の性能はGeForce RTX2080Tiに匹敵する性能です。コア数と動作クロックはRTX3070が高いのですが、ビデオメモリ周りの性能がRTX2080Tiに劣るため、ビデオメモリの役割が大きなゲームや4Kモニターなど高解像度ではRTX2080Tiに劣ってしまいます。
RTX3090 | RTX3080 | RTX3070 | RTX3060Ti | RTX3060 | |
---|---|---|---|---|---|
CUDAコア数 | 10496 基 | 8704 基 | 5888 基 | 4864 基 | 3584 基 |
コアクロック | 1400 MHz | 1440 MHz | 1500 MHz | 1410 MHz | 1320 MHz |
ブーストクロック | 1700 MHz | 1710 MHz | 1730 MHz | 1670 MHz | 1780 MHz |
ビデオメモリ | 24GB GDDR6X |
10GB GDDR6X |
8GB GDDR6 |
8GB GDDR6 |
12GB GDDR6 |
ビデオメモリ 速度 | 19.5Gbps | 19Gbps | 14Gbps | 14Gbps | 15Gbps |
ビデオメモリ バス幅 | 384bit | 320bit | 256bit | 256bit | 192bit |
ビデオメモリ 帯域 | 936GB/s | 760GB/s | 448GB/s | 448GB/s | 360GB/s |
最大消費電力(TDP) | 350W | 320W | 220W | 200W | 170W |
電源コネクタ | 8pin+8pin (12pin) |
8pin+8pin (12pin) |
8pin (12pin) |
8pin (12pin) |
8pin |
RTX2080Ti | RTX2080Super | RTX2080 | |
---|---|---|---|
CUDAコア数 | 4352 基 | 3072 基 | 2944 基 |
コアクロック | 1350 MHz | 1650 MHz | 1515 MHz |
ブーストクロック | 1545 MHz | 1815 MHz | 1710 MHz |
ビデオメモリ | 11GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 |
ビデオメモリ 速度 | 14Gbps | 15.5Gbps | 14Gbps |
ビデオメモリ バス幅 | 352bit | 256bit | 256bit |
ビデオメモリ 帯域 | 616GB/s | 496GB/s | 448GB/s |
最大消費電力(TDP) | 250W | 250W | 215W |
電源コネクタ | 8pin+8pin | 8pin+6pin | 8pin+6pin |
RTX2070Super | RTX2070 | RTX2060Super | RTX2060 | |
---|---|---|---|---|
CUDAコア数 | 2560 基 | 2304 基 | 2176 基 | 1920基 |
コアクロック | 1605 MHz | 1410 MHz | 1470 MHz | 1350 MHz |
ブーストクロック | 1770 MHz | 1620 MHz | 1620 MHz | 1680 MHz |
ビデオメモリ | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 6GB GDDR6 |
ビデオメモリ 速度 | 14Gbps | 14Gbps | 14Gbps | 14Gbps |
ビデオメモリ バス幅 | 256bit | 256bit | 256bit | 192bit |
ビデオメモリ 帯域 | 448GB/s | 448GB/s | 448GB/s | 336GB/s |
最大消費電力(TDP) | 215W | 175W | 175W | 160W |
電源コネクタ | 8pin+6pin | 8pin | 8pin | 8pin |
RTX3070 / GTX1070 / GTX1060-3G の性能比較
スペックの比較
所有しているGeForce3製品の比較です。それぞれNVIDIAリファレンス設計よりも性能が高いMSIのOCモデルを使用しています。
- RTX3070:MSI GeForce RTX 3070 GAMING X TRIO
- GTX1070:MSI GeForce GTX 1070 GAMING Z 8G
- GTX1060-3G:MSI GeForce GTX 1060 AERO ITX 3G OC
RTX3070 | GTX1070 | GTX1060-3G | |
---|---|---|---|
CUDAコア数 | 5888 基 | 1920 基 | 1152 基 |
コアクロック | 1500 MHz | 1632 MHz | 1544 MHz |
ブーストクロック | 1830 MHz | 1835 MHz | 1759 MHz |
ビデオメモリ | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR5 | 3GB GDDR5 |
ビデオメモリ 速度 | 14Gbps | 8Gbps | 8Gbps |
ビデオメモリ バス幅 | 256bit | 256bit | 192bit |
ビデオメモリ 帯域 | 448GB/s | 256GB/s | 192GB/s |
最大消費電力(TDP) | 240W | 150W | 120W |
電源コネクタ | 8pin+8pin | 8pin+6pin | 6pin |
感想
MSI GeForce RTX 3070 GAMING X TRIOはウルトラハイビジョンUWQHD(3440x1440)でもFF14のDirectX11は高画質設定でもとても快適。ボーダーランズ3のDirec X12は画質設定を中に下げないと厳しいです。多くのゲームで高画質設定で快適な性能が出ています。このクラスになると4.0GHzで4コア8スレッドのCPUではCPU性能も厳しくなります。古いPCでグラボ交換で快適に!というのはこの辺りが限界ですね。
MSI GeForce GTX 1070 GAMING Z 8G ではWUXGA(1920x1200)では快適だったのですが、モニターをUWQHD(3440x1440)に変えたら性能不足でした。4K手前まではRTX3070でも多くの高画質ゲームをカバーできますが、4Kモニターで高画質はRTX3080が必要な感じ(設定を下げればRTX3070でもなんとか対応可能)です。
4Kモニター(3840x2160)の面積はフルHD(1920x1080)を4画面同時に出力しているのと同じ広さで性能が必要なのです。それを27型の面積に閉じ込めるとすごく細かくて高精細な映像になるのです。そのため小さなモニターで高解像度表示は拡大表示しないとメニューの文字などが小さすぎて目が疲れてしまいますけどね。
その点、34型のUWQHD(3440x1440)のモニターは27型のWQHD(2560x1440)を横に広げた形なので丁度良い見え方になっています。詳しくはブログ記事[PCモニターをウルトラワイドの液晶LCD-GCWQ341XDBに取り換えたのでレビュー]を参照。
220Wクラスに320WのRTX3080とほぼ同じクーラーを搭載することで冷却性能はとても優秀です。グラボ1枚のみの接続であれば気温が高くなければ負荷が掛かっていてもファンの音はとても静かです。真夏でも安心の冷却性能となっています。
GeForce RTX3070はSLIに非対応のため2枚使用してゲーム性能を高めることはできませんが、CUDAエンコードやマイニング用に2枚接続する場合は、MSI GeForce RTX 3070 GAMING X TRIOでは厚みが3ソケット分のため隣のグラボとのスペースがなくて熱を吸い込んでしまい温度が跳ね上がってしまいます。
ASUSのROGであれば冷却性能がもっと高いようです。ただ、値段もMSI GAMINGよりも高価となっています。
2021年4月現在は世界規模での半導体不足や流通の遅延などによりグラフィックボードも品薄が長期化しており手に入らない状態となっています。マイニングに向かない性能のグラフィックボードも品不足になっており流通の回復がいつになるのかは不透明な状態です。その中で、新製品は希にPCショップに入荷する状況ですが価格は2020年発売時よりも1万円以上も高くなっています。
ベンチマークソフトでの比較
Borderlands3
ボーダーランズ3はCPUとグラフィックの負荷がとても高いゲームです。ベンチマークはゲームのオプションに実装されています。
解像度は1920x1080、2560x1440、3840x2160の3種類に、グラフィックの全体的な品質を、中、高、ウルトラの3種類、グラフィックAPIをDirextX12とDirectX11で測定しています。
フルハイビジョンの解像度ではGeForce GTX1070で平均60fpsを超えて快適、4K解像度ではRTX3070でも高画質設定は厳しいです。
GeForce RTX 3070でも4K解像度は厳しいです。グラボだけでなく、CPUも4.5GHzの6コア以上あった方が良さそうです。(ここではCPUに4.0-4.4GHz 4C8TのCore i7-4790Kを使用しています)
3DMARK
Port RoyalはDirectX Raytracingのベンチマークです。レイトレーシングの対応は「GeForce GTX 1060 6GB」以上のGeForce GTX 10シリーズとなっており、3GB版は非対応となっています。
Time Spy Extremeも4GB以上のグラフィックメモリが必要なため、GeForce GTX 1060 の3GB版は非対応となっています。
Port Royalの結果を見ると、GeForce GTXシリーズでもレイトレーシングが使えるようになったとはいえ、性能差が大きすぎて実ゲームで有効にするのは無理があるレベルとなっています。
DiRT RALLY
レースゲーム「DiRT RALLY」を使った性能測定です。ゲーム本体にベンチマーク機能があります。
DiRT RALLYは1台ずつ山道などを順番に走り抜けて速度を競うレースゲームになっています。レースゲームの中では景色の負荷が高いです。
DiRT RALLYはレースゲームなので平均40fps以上出ていればそれなりにプレイ可能。23型で4K解像度の高画質設定は画素の粒感がなくて反射具合などがとても美しいです。
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク
FF14 漆黒のヴィランズの動作の目安となるベンチマークです。
スコアが3500以上で快適、7000以上で非常に快適に動作できる目安となります
FF14はMMO RPGなので平均fpsが60以上あればとても快適。実ゲームではCPUとSSDの性能と回線の安定性が快適さに大きく影響します。(HDDではマップを移動したときにSSDの人より表示が遅れて移動可能となります。回線はデータ速度[Mbps]よりも応答速度[Ping]が重要で、パケットロス[損失]が発生するとゲームサーバーから切断されて再ログインが必要となりやすいです。)
グラフィックのfps自体は安定していれば30以上あれば問題なし。落ち込む前の快適な状態のFPSと読込などで落ち込んだときに低下したFPSの差が大きいほどカクツキが気になってしまいます。(40から30fpsに下がったときよりも60から30fpsに下がったときの方が急に重くなったように感じやすい)
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク
FF15はFF14よりも描画負荷がとても高いです。DLSSに対応しており、GeForce RTXシリーズでは高解像度の高画質設定でGTXシリーズよりも落ち込みが小さくなります。
スコアは3000以上で標準的な動作、6000以上で快適、12000以上で非常に快適となっています。
ビデオメモリ3GBのMSI GeForce GTX 1060 AERO ITX 3G OCでは画質設定を下げないと厳しい性能です。
消費電力の比較
1秒毎に消費電力が記録できる「Watts up? PRO」を用いて測定しています。
アイドル時の消費電力はデスクトップを表示した状態で起動から10分間の30秒間平均の最小値を採用しています。その他は30秒間平均の最大値を採用しています。
30秒間の平均値を使うことで1秒毎の測定では捉えきれない瞬間的な変動の影響を小さくして、測定毎のブレを抑えることができ比較しやすくなりました。
ここでの消費電力はPC本体の消費電力です。グラフィックボード以外にWattsup本体や電源が消費する電力やアイドルのHDDやBDドライブなどの電力も含まれています。負荷時は特にCPUや冷却ファンの動作による消費電力の影響も大きくなります。
アイドル時の消費電力
FF14ベンチマークでの消費電力
FF14ベンチマークの消費電力は、それぞれの設定で30秒間平均の最大値と、すべての測定の中でのピーク電力(一瞬でも記録された最大値)を最大電力として載せています。
MSI GeForce RTX 3070 GAMING X TRIO は MSI GeForce GTX 1070 GAMING Z 8Gよりも大幅に性能が向上していますが、消費電力も高くなっています。