医療や大手自動車メーカーでも採用されているナナオのディスプレイモニター。
個人向けにはEIZO FlexScanやColorEdgeがありますが、その魅力はどこにあるのでしょうか?
ナナオでは液晶パネル自体は製造しておらず、国産の高価なパネルや海外の安いパネルを使い分けています。
液晶モニターは液晶パネルだけではありません。液晶パネルは1部品でしかないのです。そのため、同じパネルを使用してもメーカーにより液晶モニターとしては大きな違いが生まれます。
EIZOモニターは、高価な国産パネルも、安い海外パネルも、液晶パネルの能力を最大限引き出すように技術者によって調整されています。もちろん、気合いの入れた調整にはコストも高くつきます。
目的に応じた最適なパネルを見つけて採用することができるのです。ブラウン管、液晶、有機EL(はまだありませんが)コストや性能などでメーカーを選ぶことができます。実際、パネルのコストや性能よりも品質を重視するモデルと、反対に安くて性能を重視するモデルで使われている液晶パネルの質がかなり異なっています。
ColorEdgeやFlexScan Lシリーズは高級タイプ、それ以外のFlexScanはパネルのコストが重視されて選ばれています。そのため、パネルの品質を重視するならワイドならColorEdgeを4:3ならLシリーズを選ぶべきです。どちらも機能的には見劣りしますが、パネル品質が重要な利用を想定すると写真やCGなどであり、それら向けに不要な機能を削り安く抑えることは正当なことです。
企業向けのColorEdge CGや医療向けモニターでは1台1台技術者により調整されてモニター全体として安定した高品質を実現しています。もちろん、価格は個人には高すぎますが・・。
企業向けで培った技術を生かして、他社より少し高い価格にはなってしまいますが、価格以上の良さがコンシューマ向けに提供されています。
EIZOモニターでは厚み・重さ・消費電力が他より大きいことがありますが、それにも理由があります。
モニター全面に渡り安定した画質を提供するために、直下型のバックライトを採用しています。液晶パネルの裏側にバックライトを敷き詰めることで歪みの少ない画質を実現しています。バックライトの数が多くなるので、厚み・重さ・消費電力が増えてしまいます。もちろんコストも高くなります。
そして、他社にはない最大の特徴は、バックライトの裏側からセンサーで光を読み取り調整されます。EIZO独自の調光機能により、電源投入直後から安定した画質を提供し、劣化による変化も補正されて長く安定した画質を実現しています。長く使うほど他社との違いが大きくなる理由がここにあります。
使いやすさが追求されているのも大きな特徴です。
モニターでは何を表示するでしょうか?動画?写真?Web?
動画を見るなら明るくクッキリと、写真は鮮やかに、または正しい色を重視し、Webでは明るさを抑えて目が疲れにくく。
こういった目的ごとの設定もFainContrast機能で簡単に行えます(一部この機能がないものもあります)。Windowsでは、アプリケーションと設定を関連づけることで、アプリケーションを切り替えると設定も切り替わり、常に最適な映像表示を行います。
モニターを支えるスタンドも使いやすさが重視され、ArcSwing2ではモニターを大きく下に傾けることができ、首が疲れにくい姿勢で使うことができます。ペンタブレットを使う人には特に重宝されているようです。
ワイドモニターを立てた状態。透明板は展示するための支えで実際には使われていません。 表(左)から、フレーム、液晶パネル、拡散板、バックライト、基盤、フレーム。 |
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バックライトは複数並べられています。バックライトの隙間が狭く、輝度ムラが起こりにく安定した高画質に貢献しています。 消費電力が低く安いモニターでは両端のみにバックライトがあり、それを反射させて拡散しているため、輝度ムラなどが発生しやすい。 |
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バックライトの裏側には穴が開けられており、そこからセンサーが光を読み取り調整されます。EIZO独自の調光機能。 年数が経過しても画質があまり低下しないのはこの機能の働きが影響しています。EIZOモニターの大きなポイントです。 |
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基盤の裏側には画像エンジンなどが搭載されています。ワイドモニターは広さに余裕があるので結構シンプルに見えます。 |
上記は2007年のFlexscanです。2009年では無駄になっている鉄板を少なくし、別の部分で強度を確保するなどの工夫を凝らし、厚みや重さの改善を進めています。
梱包もコンパクトになりましたが、輸出の衝撃にも耐えられるように他社の梱包よりも強度が高く確保されています。
・高品質ゲーミングモニターも高信頼のオフィス用モニターも『EIZOダイレクト』