古いPCではハードディスクの大容量に対応しておらず、正しく認識できなくて使えないことがあります。これはHDDの大容量化が予想よりも早く(他の部分の設計が追いつかない)、技術的な問題もあり対応できていなかったのが主な原因です。
3TB/ 2.5TBのHDDが発売されました。2TiBの壁に注意が必要です!2TiBは内部の実容量を表しています。販売容量の2TB(2000GB)ではこの問題は発生しません。
・2TiBの壁(2024GB/2.19TB):32bitの10バイトCDBとMBRの限界。64bitの16バイトCDBとGPTで対応。起動ディスクにはEFIも必要。
・137GBの壁(BigDrive):LBA(28bit)の限界。48bitに拡張することにより対応。対応できない場合は、HDDのジャンパピンを容量137GBに制限することで使用可能。
・64GBの壁:Windows98までのFDISKの不具合で発生。
・32GBの壁: AWARD BIOS の不具合で発生。
・8GBの壁:これは古いBIOSでの限界です。これ以降はLBAやINT13で解決されています。
・2GB・4GBの壁:BIOSのシリンダ数の都合で対応できないことがあります。(Windows95以前ではFAT16というファイルシステムの都合で1つのドライブは2GBまでしか使えません)
・504MBの壁:1998年以前のPCで存在します。
MBRの代わりに16ビットCBT対応のGPTで初期化することで対応。
2TBのHDDの実容量は2048GBよりも少ない2000GBを2TBとして販売(実質1.8TB程度)されているので問題なく使用することができます。
この手の問題は発売されないと対応が進まないため、BigDrive同様に時間と共に解決されていきます。
3TBのHDDが登場する前に発売されたマザーボードや増設カードでは予期せぬ不具合が発生する場合があります。
HDDのパーティション(容量の区切り)を直接扱うバックアップやパーティショニングでも、GPTに対応したソフトを使わないとデータを壊してしまう危険性があります。ファイルやフォルダ単位でのバックアップではパーティションを操作しないため影響しません。
起動ドライブとして使用するにはEFIに対応したBIOSと64bitのOSが必要です。
しかし、サービスパック(SP1)適用前のWindows Vista 64bit版ではEFI形式のBIOSからのブートがサポートされていません。
コマンドプロンプトでDiskpartコマンドを使うことで、一度初期化した後でも空白のディスク(ボリュームなどを削除したディスク)でMBRとGPTの変換が可能です。
GPTがサポートされているOSの中で動作するソフトでも、パーティションテーブルを扱うパーティション管理ソフトやバックアップソフトは個別にGPTのサポートが必要です。
パーティションを扱うMBRの限界であるため、MBRではパーティションを2TB以下で複数に区切ろうとしてもディスクの先頭から2TB以降は扱うことができません。
BIOSの限界や不具合はBIOSをアップデートすることにより対応可能です。詳しくはM/B(マザーボード)メーカーまたはPCメーカーのサイトでご確認下さい。
160GBや250GBのハードディスクを購入したのに137GBまでしか表示されない原因はこれに当たります。
初期のWindowsXPやWindows2000では1パーティションの容量に137GBの壁であるBigDrive問題が存在します。
160GBなどのハードディスクならばパーティションを137GB以下に区切るか、この問題の修正を含んだServicePack(XPならSP1以降)を導入することにより解決します。認識できない場合は、HDD背面のジャンパピンを137GB CLIPに設定して容量137GBのドライブとして使用することができます。
OSのクリーンインストールなどでBigDriveにWindowsをインストールするめには、ServicePackを導入したインストールディスクを作成または購入するか、BigDrive対応ドライバあればそれを読み込ませて認識できるようにします。
パーティションとは1つのドライブの中に作られた論理的なドライブのことです。
OSではなくマザーボードが対応していない場合は、BigDrive対応の拡張カードを使いましょう。
SATAドライブが使える新しいパソコンではBigDrive問題(137GBの壁)は解決済みですのでご安心ください。
ハードディスクの容量は人に合わせた容量表記と、コンピュータが利用できる容量が異なります。
表記されている容量は1GBは1000MB、1MBは1000KBです。しかし、コンピュータでは1GBは1024MB、1MBは1024KBで管理されています。
500GBのハードディスクで実際に利用できる容量は約465GBになりますが、これは正常です。