地デジチューナーの問題点
概要
デジタル放送対応のPCパーツ/周辺機器のチューナー・キャプチャーには様々な制限があります。
B-CASカードとは
B-CASカードはチューナーを有効にするために必要です。B-CASカードが無いと、地上デジタル/衛星デジタル放送の表示や録画が行えません。
B-CASカードは許可制になっており、チューナーやモニターなどの通信の信号も含めて情報を強力に暗号化して、ダビングやコピーなどができないように作られた製品にのみ付属されます。
B-CASカードは地上デジタル放送のみに対応したカード(青)と、BS/CS放送にも対応したカード(赤)の2種類があります。
B-CASカードの許可が下りなかったのが、一般PC用のデジタルチューナーが販売されなかった原因です。長い期間、家電と同じように作られたメーカーPCでのみ搭載が許されていました。
不正防止のためのB-CASカードですが、許可されていない製品でも他の機器のB-CASカードを挿入することで有効化されてしまいます。B-CASカードのために、無駄に価格が高くなるのとチューナー本体以外にスロットのためのスペースが必要となっています。
録画した番組の制限
PC用に単独販売されているチューナーはかなり使いにくい制限があります。元々PCでは使わせたくないのが放送業界の本音でしょう。できれば、CMカットや携帯機器への転送に対応したDVDレコーダー等をおすすめします。
録画した番組の再生には、録画したときと同じPCとチューナーが必要です。
チューナーが壊れたときや新しいチューナーに交換したときは、録画していた番組が再生できなくなります。
録画したファイルを直接別のディスクなどに移動させると再生できなくなります。(DVDやBDに書き込んだ場合は対応プレーヤーで再生可能です)
CMカットなどの編集ができません。
動画変換ができません。
携帯機器などへの転送ができません。
チューナー付属のソフト以外でファイル(番組)を扱うことができません。
ただし、DVDに書き出してから再度取り込むと、このような制限は意味のないものとなってしまいます。普通に使う人が不便なだけで不正防止にはならない仕様です。PCでは放送を見て欲しくないという気持ちが伝わってきます。
地デジのワンセグとフルセグの違い
ワンセグは13分の1の情報量、フルセグは13分の12の情報量があります。情報量が大きくことなるので、ワンセグは十分受信できていても、フルセグは受信しきれない場合があります。
ワンセグの解像度は320x240の大きさです。携帯機器で見るには問題ありませんが、大きな画面で表示するとアナログ放送よりもぼやけた(荒い)映像となります。
フルセグの解像度は最大1440x1080の大きさです。大型のモニターでもクッキリと細部まで見やすい映像となります。
表示にはHDCP対応が必要
モニターへの映像信号が暗号化されたHDCP対応が必要です。ディスプレイモニターとビデオカード(パソコン)の双方が対応している必要があります。
アンテナ等の対応にも注意
放送が受信できる地域で、受信可能なアンテナの設置が必要です。(アナログ放送で使用していたUHFアンテナがそのまま使える場合もあります)
分配器は、デジタル放送の周波数が減衰や遮断されてしまう場合は使用できません。デジタル放送対応のものに交換する必要があります。
ダビング10とは
DVD等への書き出しを9回のコピーと、1回の移動(ムーブ)が可能になる規格です。すべての番組がコピー対応になるわけではなく、番組によって異なります。
これまでは、コピーワンスという1回の移動しかできない規格でした。転送や書き出しに失敗すると、それ以降見ることができなくなってしまうのが大きな問題となっていました。
PC用チューナーでは順次ファームウェアのアップデート等で対応が予定されています。コピーワンスで録画した番組は1回の移動しかできません。
主なチューナーの特徴
アイオーデータ
同社製アナログチューナーとの共存が可能です。
お任せ録画機能で、キーワードや放送局などを指定しておくと、自動で録画予約してくれます。放送時間の移動やスペシャル放送など時間が変わっても安心です。
GV-MVP/HS
新しいPCI-Express x1スロット接続タイプ。
GV-MVP/HX
従来のPCIバス接続タイプ。
GV-MVP/HZ
USB接続タイプ。USBバスパワー対応(外部電源接続不要)。
バッファロー
DVDの他に、ブルーレイ(BD)ディスクへの書き出しにも対応しています。
ハードウェアトランスコード機能搭載で、画質を落として小さなファイルサイズで保存することができます。また、低画質モードではアナログ接続により、HDCPに対応していなくても表示させることができます。
DT-H50/PCI
従来のPCIバス接続タイプ。
DT-H50/PCIE
新しいPCI-Express x1スロット接続タイプ。2台接続しての同時録画対応予定。
DT-H50/U2
USB接続タイプ。2台接続しての同時録画対応予定。
DT-H30/U2
USB接続タイプ。USBバスパワー対応(外部電源接続不要)。 BD(ブルーレイ)書き出し機能なし。
ピクセラ
地デジの他に、BSデジタル/110度CSチューナー搭載や、地デジ+アナログのWチューナー搭載があります。
PIX-DT012-PP0
地デジ/BS・CS110度放送対応。従来のPCIバス接続タイプ。接続に2スロット必要(片側はブラケットのみ)。
PIX-DT050-PP0
従来のPCIバス接続タイプ。
PIX-DA022-PP0
地デジ/アナログ放送対応。従来のPCIバス接続タイプ。接続に2スロット必要(片側はブラケットのみ)。
BD/DVDレコーダー
SONY BDZ-A70
ソニー製ウォークマンやPSPに簡単転送が可能なブルーレイレコーダー。HDD容量は320GB。
Panasonic DIGA DMR-BR500-K
パナソニックの低価格ブルーレイレコーダー。HDD容量は250GB。