プリンターの選び方
プリンターの種類
プリンターは大きく分けて、複合機と単機能プリンターがあります。
複合機は、スキャナとプリンターが合わさり、コピーもできます。現在は、パソコンを使わなくても写真印刷が可能なものが主流です。
単機能プリンターは、スキャナ部がなくコンパクトです。パソコンから印刷を行うものと、デジカメやカードリーダーから画像を読み込み直接印刷できるダイレクトプリンターがあります。
印刷方式
家庭用プリンターではインクジェット式と昇華型プリンターがあります。昇華型プリンターは大型化が難しく、写真印刷でもインクジェットプリンターが大きく進化したことからほとんど消えていきました。
インクジェットプリンターはインク粒をはき出して印刷します。粒を小さくして綺麗に印刷するため、ノズルにインクが詰まり故障しやすいのが最大の欠点です。純正以外のインクを使うとこの故障が増えると言われています。また、ノズルを掃除するために、自動クリーニングでインクをたくさん使ってしまうのも欠点です。
沈殿して固くなったインクなどが送られてしまうと故障してしまうからなのか、インクタンクが空になる前に交換します。そのためもったいなく感じる人が多いですが、使えない量を踏まえて価格設定などがされているはずです。(純正インクが高いのは品質管理などに相当なコストがかかっています。プリンター業界は売れていても利益が少ないのが現実で、本当はプリンター本体ももっと高く売りたいでしょう)
インク代を安く抑えるために交換インクを使用するのなら、初めから写真品質を重視しないプリンターを選びましょう。高画質で長期保存は純正インク+純正専用紙の組み合わせで発揮されます。純正でなくても変わらないと感じるのなら、初めからそこまでの画質は必要がなかったということでもあります。(高画質機であるほど精密な構造のため、インクの粘度の違いなどにより故障しやすくなります)
企業向きには高速なレーザープリンターが主流ですが、こちらは個人が買えるような価格ではありません。
インクの種類
染料系と顔料系があります。染料系はきめ細かい写真印刷に、顔料系はクッキリとした資料印刷に適しています。現在は、顔料系でも十分綺麗な写真印刷が行えるようになりましたが、インク製造が間に合わなくなるからなのかコストが高いからなのか、売れ筋ではまだ染料系が使われています。
EPSONとCANON
家庭用プリンターではエプソンのカラリオとキャノンのピクサスがシェアを2分しています。
エプソンはエプソンカラーでプリンターが印刷時に自動で画像補整されるようになりました。普通に撮った写真が自動補整で綺麗に印刷されます。エプソンカラーは自動補整で簡単綺麗+つよインクで色あせない長期保存を実現しています。
写真印刷が目的なら断然エプソンです。
キヤノンは標準で自動両面プリント機能や顔料系の黒インクで資料印刷に適しています。普通紙でもクッキリ綺麗で、Web印刷やエクセル・ワードといった文書の印刷やコピーに最適です。
とはいえ、エプソンでも十分資料の印刷は行えますし、キャノンでもエプソンのような自動補整はありませんが、十分綺麗な写真画質を印刷することができます。
2006年秋 新機種をまとめる
今年もシーズンがやってきました。主要な機種を簡単に紹介します。
EPSON 複合機
エプソン PM-T990は最上位機種の複合機です。最大の特徴はデータ放送のテレプリパに対応しました。テレビを見ながら、見ている料理番組のレシピを印刷といったことが可能です。CD-R/RWへの書き込みドライブ搭載で、パソコンがなくてもデジカメの写真や動画などをCDにアルバム作成永久保存することが可能です。
パナソニック製「VIERA(ビエラ)」に繋げれば、テレビで確認しながらリモコンで簡単に印刷できます。お年寄りの孫の写真印刷なんかに良さそうですね。テレ写についてはこちら
インク粒は1.5plですが、複数のインク粒を最適に使い分けるMSDTで滑らかで綺麗な表現を実現しています。インク粒の大きさは3pl以下であれば気になりません。今回Advanced-MSDTとなり今までのMSDTより進化しました。
赤外線標準装備でケータイからも簡単印刷ができます。
L判印刷19秒(標準印刷)。インク用紙合計コスト19.6円。6色染料。
CD/DVDのレーベル面印刷も可能。前面と背面に別々の用紙をセットできる。16:9のハイビジョン用紙の縁なし印刷も対応。
スキャナ部は4800dpiのCCD。フィルム読み取り標準搭載。
エプソン PM-A970はT990からテレビプリントを省いています。写真などのCD-R/RWディスクへの書き込みは搭載しています。その他の機能はほぼ共通です。
エプソン PM-A920はA970からさらにCD書き込み機能が省かれています。データの保存はパソコンで行うならその機能は必要ありませんね。ノズルが少ないので印刷速度は23秒とやや遅くなり、コストも21.2円と高くなります。オプションで自動両面印刷が用意されています。
スキャナ3200dpiのCCDです。雑誌などの読み取りにはちょっと物足りないかもしれません。
エプソン PM-A820は前面給紙ができません。印刷速度は25秒、コストは21.4円となります。CD/DVDレーベル印刷は可能です。
スキャナは1230dpiのCISとなるため、原稿や書類のコピーなどが主な使い方になります。写真印刷やパソコンからの印刷が中心ならPM-A820で良いでしょう。
CANON 複合機
キャノン PIXUS MP960は6色の染料インクの他に顔料の黒インクも搭載しています。高画質な写真印刷に加えて、にじみの少ないクッキリ黒を実現できるのがキャノンの強みです。そして、標準で自動両面プリント対応!もちろん、CD/DVDのレーベル印刷対応です。
自動両面プリントは書類などの印刷にご利用ください。写真用紙やハガキ印刷ではプリンターへの負担が大きい他に、用紙が汚れることがあります。また、自動両面印刷では高画質な写真印刷が行えません。
印刷は9600dpiの1plなので、数値上はエプソンより高画質に見えるはずなのですが、現実は数字通りには行かないようです。
昨年の機種では操作がしにくいと不評だったため、今年は大幅に改良されています!また、大きすぎると不評だった大きさも一回り小さくなりました。お店でお確かめください。
赤外線通信で、ケータイからも簡単印刷。
スキャナは4800dpiのCCD。フィルムスキャンも可能です。
キャノン PIXSUS MP810は4色の染料インクと顔料の黒インクを搭載しています。写真印刷メインにはちょっと厳しいですね。とはいえ、Canonは6色も4色もあまり変わらないとも言われており、実際にお店で確認して満足できればかなりお買い得なクラスです。自動両面印刷対応なので、写真以外がメインなら価格が安くとても魅力的です。
赤外線通信で、ケータイからも簡単印刷。スキャナはMP960と共通です。
キャノン PIXUS MP600はMP810のプリンターで、スキャナが2400dpiのCISになりました。スキャナの使い道が原稿や書類のコピー程度なら、こちらの方が安くて良いですね。
ダイレクトプリンター
コピーはいらない、写真は大きく簡単に印刷したいならこのクラス。
エプソン PM-D870はエプソンカラー対応の6色染料インク搭載。Advanced-MSDTで綺麗で高速印刷。赤外線通信でケータイからも簡単印刷。パソコン不要で、デジカメやメモリカードから簡単綺麗に印刷できます。
印刷速度25秒、コスト21.6円。
コンパクトプリンター
必要なときに取り出してサッと印刷。または、移動して印刷するならこのクラス。
エプソン E-700はこのクラスにもCD書き込み機能を搭載!印刷してもデータは消さずに、CDに永久保存しましょう。綺麗で長持ちエプソンカラーも搭載。大きさはハガキサイズまで対応。L版写真用紙やハイビジョン用紙の縁なし印刷も対応しています。赤外線でケータイからも簡単印刷対応。
4色染料インクで、速度35秒、コスト16.2円。
エプソン E-500はE-700からCD書き込み機能が省かれています。他はほぼ共通です。
エプソン E-300は解像度が低くなっています。速度は41秒で、コストは16.8円です。
キャノン PIXUS mini260は4色染料インクに、9600dpiの1plという高精細な印刷ができます。赤外線でケータイからも簡単印刷対応。印刷速度は43秒、コストは19.8円。
キャノン PIXUS mini220はいつでも気軽に印刷できるとてもコンパクトなプリンターです。これでも2.5型の液晶を搭載しています。3色インクの4600dpiで2plとなります。高画質ではありませんが、低価格で気軽に使えますね。速度は42秒のコストが23.8円です。コストは専用用紙でなければもっと安くなります。3色インクなのにmini260よりもインクコストが上がっているのが気になりますね。
スタンダードプリンター
パソコンで印刷するだけなら。
エプソン PM-G4500はA3ノビタイプ対応!一眼レフで撮った写真を印刷するならこのクラスが欲しいですね。6色染料インクでエプソンカラー対応です。
エプソン PM-G800はA4対応の写真品質プリンター。6色染料でエプソンカラー対応。CD/DVDのレーベル面印刷もできます。
エプソン PX-G930はプロ用プリンター。エプソンカラーに対応した8色の顔料インクで写真家も納得の高画質印刷が人気です。
エプソン PX-G5100はPX-G930がA3ノビ対応に!
キャノン PIXUS iP7500は前面給紙と自動両面印刷に対応したプリンター。6色染料インク+顔料黒インク搭載で、書類もクッキリ印刷。写真印刷がメインでないのなら、とてもおすすめできるプリンターです。写真印刷も、ソフトウェアで補整して印刷するのなら十分綺麗。
キャノン PIXUS iP4300は4色の染料インク+顔料の黒インク搭載。写真印刷は物足りないですが、通常の印刷ならこれでも十分。前面給紙と自動両面プリントで印刷しやすい。