ADSLで通信が不安定
ADSL特有の問題
ADSLでは無理をした通信方式であるため、通信が不安定になることがよくあります。
まず、ADSLは高周波帯域を使うためにノイズに弱く、あまり品質の高くない電話回線をそのまま利用しているので信号の劣化が多くあります。距離が遠くなるほど信号の劣化が大きくなります。
ADSLは通信品質を保証していません。最大24Mbpsであっても速度向上の恩恵を受けられるのは収容局に近い極限られた地域に住んでいる人のみです。高周波帯域を使い最大通信速度を高くしたものほど信号の劣化の影響を大きく受けるため、最大通信速度が大きくても通信可能距離は長くはなりません。
しかし、通信の安定化対策が施されることによって通信可能距離が少し伸びることはあります。NTTのフレッツADSL通信速度コーナーをご覧下さい。速度と伝送損失(信号の劣化)の関係がグラフでよく分かります。ほかの通信業者であっても似たようなグラフになるでしょう。伝送損失は距離などにより大きくなります。伝送損失が大きい=距離が遠いと思って良いですが、距離以外の要素(工事現場のノイズなど)でも信号の劣化はあります。
ADSLでは通信速度よりも通信の安定が重要です。通信速度が速くても頻繁に切断されたり通信エラーが起きていては不便です。伝送損失が大きく使い物にならないのなら、光接続などに変更した方がよいでしょう。光接続はまだ都市部でしかないため、地方ではCATVやフレッツISDNになります。
伝送損失はNTTの線路情報で電話番号から検索することができます。
・NTT東日本はこちら
・NTT西日本はこちら
通信切断
ADSLでよく起きる問題が電話に関係する切断です。電話がかかってきたときに切断されるなどの話をよく聞きます。
電話がかかってきたときに切断するのは家の外に取り付けられている保安器に問題がある可能性があります。問題が分かっている型番は『6PT』です。保安器は電話線に雷からの電流が流れてきた場合にヒューズとして機能しますが『6PT』というタイプはADSLの通信を乱してしまうようです。見ても分からない場合はNTTに問い合わせて調べて貰いましょう。これを交換することによって切断される問題が起きなくなる可能性があります。
家庭内対策
通信の不安定は家の外だけが原因とは限りません。
家庭内ノイズや電圧の不安定が原因になることもあります。ノイズ対策をする事によって通信速度が向上することもあります。詳しくは電源保護とノイズ対策をご覧下さい。
ドアフォンやキャッチフォンに繋げてある場合も通信の切断が起こりやすいようです。
モデムの再接続
長期間接続したままだと通信速度が次第に低下したり通信が不安定になることがあります。そのような場合は、モデムの電源をいったん切って、接続を新たに確立し直すと正常に戻ることがあります。電源を切ってもしばらくは接続情報が残ったままになるので、30分以上(通信業者により1時間の場合もある)時間を置いてから電源を入れましょう。
ルーターをお使いの場合は、ルーターが不安定になっていることもありますので、ルーターの電源も入れ直してみましょう。
通信速度向上
Windowsでの通信設定をお使いの通信環境に最適化する事により大幅に通信速度が向上することがあります。
通信にはアナログ・ISDN・ADSL・CATV・光ファイバー網など数多くの通信方式がありますが、それぞれ一度に通信パケットの流す量などの最適な値が変わってきます。また、同じADSLであっても、劣化の具合により最適な値が変わってきます。これらの設定を最適化せずに標準のまま使用していたのでは通信環境の力をフルに発揮できていません。
Windows自身には通信環境を確認・管理する機能がないので市販のソフトウェアを利用して設定を最適化します。
上級者であればそのようなソフトを使わずに直接レジストリに値を設定する事も可能です。ただし、最適な設定を分かっていないと逆に悪化することがあります。
おすすめはi4のNinjaシリーズです。この商品には普通の通信設定を最適化する機能の他に相手のサーバ(通信先)に合わせて最適化する学習機能があります。この機能によりホームページの表示やダウンロードが効率的に行えます。また、ポップアップ広告や登録したページを表示させない機能もあります。